2021年4月のテーマ写真館




 《 ペンギンの見分け方 》


ペンギンは世界に6属18種いますが、中には同じ「属」の中で非常によく似たものがいます。
≪コウテイペンギン属≫は、全18種類の中で1番大きな「コウテイペンギン」と二番目の「オウサマペンギン」の2種でよく似ていて学者も間違えます。コウテイペンギンの目の後ろのオレンジ色の部分は首から胸にかけて繋がっていますが、オウサマペンギンは目の後ろの黄色の部分が独立しています。
≪フンボルトペンギン属≫の「フンボルトペンギン」と「ケープペンギン」は、首の下の黒いラインが1本で見分けにくいですが、ケープペンギンは白い幅が広く、黒いラインが細いので分かります。「ガラパゴスペンギン」は首の下の2本の不明瞭な黒いライン模様が特徴で、「マゼランペンギン」は2本のはっきりとしたラインが特徴です。
頭にトサカのような飾り毛のある≪マカロニペンギン属≫の中の飾り毛がぼさぼさの「マカロニペンギン」と「ロイヤルペンギン」は、ロイヤルペンギンの目の周りが白いため区別できます。「フィヨルドランドペンギン」は目の下にある涙のような白い筋が特徴で識別は容易です。「スネアーズペンギン」は鮮やかな黄色いトサカのような飾り毛が立派で、口元がピンクなのが特徴です。「イワトビペンギン」と「エレクトクレステッド(シュレーター)(マユダチ)ペンギン」は、どちらも頭頂部(とうちょうぶ)が逆立っていますがエレクトクレステッドペンギンのほうが冠の飾りが太く、くちばしの根元にピンクのふちどりがあります。

オウサマペンギン

コウテイペンギン

コウテイペンギン


マゼランペンギン

ケープペンギン

ケープペンギン


ガラパゴスペンギン

フンボルトペンギン

フンボルトペンギン


スネアーズペンギン

フィヨルドランドペンギン

イワトビペンギン


ロイヤルペンギン

マカロニペンギン

マユダチペンギン


 ◆ 海の一言 :『オットセイ』


海獣類はオットセイ科、アザラシ科、アシカ科、セイウチ科分かれています。中でもオットセイは「ハーレム」を作ることで知られます。オットセイは繁殖期になると雄がまず上陸して雄同士で争い、海岸に近い上陸しやすい場所を縄張りにし、あとから上陸してくる雌たち50匹程を独占して「ハーレム」を作るのです。こうした事から、陰茎や睾丸が精力剤などの漢方薬材料として珍重されたため、乱獲により生息数が激減しました。アシカとオットセイはよく似ており、前脚を鳥の翼のように羽ばたかせて遊泳し、耳介と呼ばれる耳たぶがあります。しかし、オットセイはアシカより小ぶりで、ビロードのように体毛が密生し、光沢のある黒っぽいグレーや茶褐色で、柔らかく、暖かく、防寒性に優れています。アシカには長い毛1本に対して下毛が5本程度なのに対し、オットセイは下毛が50本程度もあり、英語でFur seal「毛皮アザラシ」と呼ばれ、昔は猟師に狙われて絶滅に瀕した種も多いです。

キタオットセイ

キタオットセイ

キタオットセイ




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