2020年8月のテーマ写真館




 《 日本のキンチャクダイ(ヤッコの仲間) 》


英名の「Angelfish」の通り、模様、色共に美しく、天使や妖精をイメージするものが多く、暖かい海を華やかに彩る魚たちです。和名のキンチャクダイは、釣り上げて頭を上にしてぶら下げると、布や皮製の、入り口をすぼめて閉じられる手提げ袋の「巾着(キンチャク)」の形に似る事から「キンチャク」で、鯛科の魚ではありませんがおめでたい鯛にあやかっています。ヤッコ名は、正面から見ると鰓蓋の下の棘が、江戸時代の大名行列の先頭に立って槍をふり歩いた「奴(ヤッコ)さん」の髭に似ることに由来します。大型種は同属に対する縄張り意識が強いため、幼魚は親とは似ても似つかない色や模様で、成魚からの攻撃を受けないようです。また、種類によっては雄雌で色や模様が大きく異なるものもいます。

シテンヤッコ

タテジマキンチャクダイ

タテジマキンチャクダイ幼魚


キンチャクダイ

キンチャクダイ幼魚

ニシキヤッコ


チリメンヤッコ

ヤイトヤッコ♂

ヤイトヤッコ♀


ヒレナガヤッコ♂

ヒレナガヤッコ♀

アカハラヤッコ


サザナミヤッコ幼魚

サザナミヤッコ

コガネヤッコ


タテジマヤッコ♂

タテジマヤッコ♀

レンテンヤッコ


ロクセンヤッコ

トサヤッコ♂

トサヤッコ♀


スミレヤッコ

シマヤッコ

ルリヤッコ


ミズタマヤッコ♂

ソメワケヤッコ

アブラヤッコ


 ◆ 海の一言 :『シロイルカ(ベルーガ)』


イッカク科・シロイルカ属に分類される鯨類で、北極海、ベーリング海北部、オホーツク海、セントローレンス湾など北半球の北極海に近い冷たい海に生息します。雄は体長5.5m、体重1,300kg、雌は体調4m、体重600kgほどに成長する、イルカとクジラの中間程の大きさの歯鯨です。幼体の体色は灰黒色ですが、5年ほどで灰色・淡灰色・青白色となり、生後約7年で真っ白になる事からシロイルカと呼ばれます。英語ではBeluga Whaleで「ベルーガ」とも呼ばれ、ロシア語の「白い」の意から来ています。仲間との交信や氷で覆われた海域で呼吸のための割れ目探し、餌になる様々な生物を探すなどのためクリック音、キーキー音、口笛のような音、ベルのような音など、50種類もの音声を発してエコーロケーションを行います。このように発する声が美しいため、あるいは騒々しいため「海のカナリア」とも呼ばれます。

親子

北極圏を泳ぐ

首が曲がる珍しい鯨類




海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。