2020年7月のテーマ写真館




 《 アホウドリの仲間 》


アホウドリ科・アホウドリ属に分類される海鳥で、「信天翁」の漢字が当てられています。英名albatross は、スペイン語で大型の海鳥を指し、船乗りの称号やゴルフなどの名誉ある呼称に使われています。一方で「阿呆」の漢字は「愚か」、「ばか」といった意味で、陸上を歩くことはできるが、非常にぎこちなく、簡単にとらえる事が出来、昔は食用や羽毛を得るために乱獲されました。その結果、わが国の「アホウドリ」は絶滅に瀕しています。国際鳥類学会議によると、アホウドリの仲間は世界中に21種がおり、ワタリアホウドリが最大で全長107〜135cm、翼開張300cm程になり、鳥類で最大でもあります。いずれも細長い翼を操り揚力を得て、海上に発生するわずかな気流を利用してほとんど羽ばたかずグライダーのように飛び続けることができ、巣立った後は性成熟するまで3〜4年の洋上生活を行います。

コアホウドリペア

ロイヤルアルバトロス抱卵中

コアホウドリ若鳥


アホウドリ

ガラパゴスアホウドリ抱卵中

コアホウドリ


ワタリアホウドリ若鳥

コアホウドリ求愛

コアホウドリ


キャンベルアホウドリ

ワタリアホウドリ抱卵中

クロアシアホウドリ


クロアシアホウドリ親子

マユグロアホウドリペア

ニュージーランドアホウドリ


アホウドリ若鳥

コアホウドリ親子

ハイイロアホウドリ抱卵中


 ◆ 海の一言 :『クニマス(国鱒)』


1925年にアメリカの魚類学者ジョーダンらによって新種として記載されたサケ科の魚です。秋田県の田沢湖だけに生息した固有種で、1940年にダム建設に伴い、酸性の玉川から水を引き入れたことにより絶滅し、環境省のレッドリストで「絶滅」と評価されていました。1930年代に人工ふ化のため、西湖、本栖湖、琵琶湖などに発眼卵が運ばれた記録が残っており、長年その子孫の発見が期待されていました。2010年にさかなクンが山梨県の西湖漁協からもらって、京都大学の中坊博士のもとに持ち込んだ魚の解剖や遺伝子解析を行なった結果、クニマスであることが判明したのです。その後、西湖で個体群の生息が確認され、「野生絶滅」に指定変更されました。名前の由来は、江戸時代に秋田藩主・佐竹義和が田沢湖を訪れた際にクニマスを食べ、美味であり、お国特産であったため「国鱒」と名付けられたともいわれます。この他、諸説ありますが確たる史料はないそうです。

クニマス

クニマス

保存されているクニマスの標本




海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。