2020年6月のテーマ写真館




 《 南極海のフランスの島々 》


南極海は、南極大陸を取り囲むドーナッツ状の海で、豊富なミネラルに支えられた海洋生物が島々に集まって繁殖し、寒冷地生物の宝庫となっています。インド洋との境目付近に浮かぶ島々の多くがフランス領で、300もの小島や岩礁からなるケルゲレン諸島、アムステルダム島、セント・ポール島(サンポール・ヌーヴェル・アムステルダム諸島)、5つの大きな火山島と15の小島群や岩礁から成るクロゼ(クローゼー)諸島などです。海域面積はオーストラリア大陸とほぼ同じ約7,633平方kmにもなり、陸上はミナミゾウアザラシ、アナンキョクオットセイ、オウサマペンギン、マカロニペンギン、イワトビペンギンや絶滅寸前のアムステルダムアホウドリなど多くの海鳥の繁殖地で、付近の海域は多くの鯨類の生息地になっていることが世界遺産登録の要因となりました。特に世界中のオウサマペンギンの半分以上がクロゼ諸島で繁殖し、その数は300万羽と言われます。

オウサマペンギン、クロゼ諸島

オウサマペンギンとミナミゾウアザラシ、クロゼ諸島

ワタリアホウドリの雛、クロゼ諸島


アナンキョクオットセイ、アムステルダム島

キタイワトビペンギン、セント・ポール島

ミナミゾウアザラシ、クロゼ諸島


アナンキョクオットセイ、アムステルダム島

オウサマペンギンの雛、クロゼ諸島

オウサマペンギン、クロゼ諸島


ケルゲレン諸島

カルデラ、セント・ポール島

セント・ポール島


フランス観測基地、アムステルダム島

クリスマス・ハーバー入り口の岩、ケルゲレン諸島

アカデミック・ショカルスキーとクロゼ諸島


セントポールフィンガーフィン、セント・ポール島

ケルゲレンキャベツ、ケルゲレン諸島

フランス旧基地、ケルゲレン諸島


 ◆ 海の一言 :『アオウミガメ』


世界中の熱帯、亜熱帯、温帯に生息し、日本ではアカウミガメより南方の小笠原諸島や南西諸島などのサンゴが砕けてできた砂浜で産卵するウミガメです。泳ぐ魚やイカなどを捕らえるのが難しいようで、食性はほぼ植物食で、アマモ、ウミショウブなどの海草やツノマタなどの藻類を主に、クラゲやサルパ、海綿、魚卵など動きの少ないものを食べます。和名「アオウミガメ」や英名"Green Sea Turtle"の青や緑は、主食とする海藻・海草類の青・緑の色素が体脂肪に反映され、肉が緑がかった青に見えるためです。




海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。