2020年4月のテーマ写真館




 《 ロシア太平洋岸の島々 》


北海道から北極海に至るまで、太平洋西側の海岸は全てロシアが統治しています。アジア大陸沿岸沖にサハリン(樺太)が、そしてオホーツク海を囲んで北海道からカムチャツカ半島まで1200kmの間にはオネコタン、パラムシル、アトラソフなど30の大きな島々と多くの岩礁から成る千島列島が鎖のように連なります。更に、カムチャツカ半島の東沖150kmのベーリング海にはベーリング島とメドヌイ島などからなるコマンドールスキー諸島(ベーリング諸島)があります。これら寒冷地の島々は住む人々が少なく、対岸のアラスカと同じように、海洋哺乳動物や魚介類の宝庫で、ロシア政府によって厳しく保護され、トドやキタオットセイの大繁殖地が見られます。コマンドールスキー諸島には、絶滅してしまったステラーダイカイギュウの骨なども残されています。

キタオットセイ

キタオットセイ、ベーリング島

キタオットセイ


トド、メドヌイ島

トドの雄と雌、メドヌイ島

トド


トド

エトピリカ

ステラーカイギュウの骨、ベーリング島


ラッコのラフト

ゼニガタアザラシの幼獣

ウシシール島


ウシシール島

原始的バクテリアのいる海中温泉、ウシシール島

ウシシール島


オネコタン島

パラムシル島

アトラソバ島


オニカジカの仲間

オニワカメ

コンブ


コンペイトウ

ハナサキガニ

ヒダベリイソギンチャク


 ◆ 海の一言 :『ジェンツーペンギン』


南極半島や南極大陸周辺の島々、南米などで繁殖するペンギンで、体長51〜90cm、体重5〜8.5kgと、コウテイペンギン、オウサマペンギンに次いで3番目の大きさです。ペンギン中もっとも泳ぐのが早く、最高時速は35kmにも達するそうです。性格がおとなしく、昔は「温順ペングイン」と呼ばれたそうです。一度繁殖した相手と、次の繁殖期に再びパートナーを組むかを「ペンギンの離婚率」と呼びますが、年間を通じて、繁殖期以外もつがい関係が保たれるジェンツーペンギンは、パートナーに事故などがなければほとんど離婚はなく、10%の離婚率と言われ、10年以上続けて同じ相手と繁殖した記録もあるそうです。頭と背中側が黒く、腹側は白、足はピンク色または橙色、クチバシは化粧をしたようなオレンジ色です。目の後ろ上部に白い飾りのような羽があるところから、英名の"Gentoo"は、頭部の白い帯模様をターバンに見立て、ポルトガル語で「異教徒」つまり回教徒を意味する"Gentio"に由来する、とされています。近年は棲息地域に応じて亜種レベルで分類されますが、見た目にはほとんど区別がつきません。

ジェンツーペンギン

卵を抱くジェンツーペンギン

ジェンツーペンギン




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