2020年3月のテーマ写真館




 《 サウス・ジョージア島 》


南米大陸南端から南東約1,900kmの、南大西洋に面した南極海に浮かぶ島で、1775年にジェームズ・クックによって領有宣言が行われイギリスの海外領土となっています。全長167.4kmで、幅は1.4から37kmのやや三日月型の本島と、小さな島々からなり、年平均気温1.7度で、氷に覆われた山がちな地形で、多くのフィヨルドや入り江があり、表土を覆う木はなく、4月から11月までの冬季はおおむね雪に覆われます。南極方面からもたらされる豊富なミネラルと、それに支えられたプランクトンを始めとした海洋生物の宝庫で「南極のガラパゴス」とも呼ばれます。哺乳動物はミナミゾウアザラシとナンキョクオットセイ、そしてペンギンではオウサマペンギンやマカロニペンギンの世界有数の繁殖地で、ジェンツーペンギンも多く繁殖しています。さらに、世界最大のアホウドリで翼の差し渡しが3mにも達するワタリアホウドリやミナミオオフルマカモメ、マユグロアホウドリ、ハイガシラアホウドリなどが営巣しています。

氷山とシー・スピリット

オウサマペンギンの抱卵

ミナミゾウアザラシ


ナンキョクオットセイ

ミナミゾウアザラシ

マカロニペンギン


オウサマペンギン

オウサマペンギン

シー・スピリットからゴムボートで上陸


ナンキョクオットセイの授乳

ワタリアホウドリの抱卵

マカロニペンギン


オウサマペンギン

ミナミゾウアザラシ

昔の捕鯨基地とナンキョクオットセイ


昔の捕鯨船

探検家シャックルトンの墓

シー・スピリットから氷河を望む


 ◆ 海の一言 :『ヒガシオウサマペンギンとインドヨウ(ニシ)オウサマペンギン』


水族館や動物園では区別なく、オウサマペンギンや、英語のままキングペンギンと表示されています。しかし最近は、遺伝子情報をもとに生物の分類体系が大きく見直され、亜種レベルの細分化が行われ、ヒガシオウサマペンギンとインドヨウ(ニシ)オウサマペンギンに分けられています。南米大陸や東側の大西洋、近隣の南極海に浮かぶ島々で繁殖するヒガシオウサマペンギンと、インド洋およびオーストラリア大陸と南極大陸の間に浮かぶ島々で繁殖するインドヨウ(ニシ)オウサマペンギンに分類されました。ペンギンは外観に大きな差が無いため、水族館などでは区別のため色などが異なる足輪を付けています。また、ヒガシオウサマペンギンとインドヨウ(ニシ)オウサマペンギンの区別もほとんどないため、写真で比べても全く分かりません。ちなみに、ペンギンどうしは泣き声でパートナーや親子が分かるそうです。

インドヨウオウサマペンギン

インドヨウオウサマペンギン

ヒガシオウサマペンギン




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