2020年1月のテーマ写真館




 《 ブルーカーボン(Blue Carbon) 》


≪大気を浄化する水中生物≫
ブルーカーボンは、水中や水辺に生息する海藻や海草、植物プランクトン、サンゴなどが主に光合成によって、大気中から炭素(CO2)を取り入れ一部を炭素として固定し、多くをさまざまな生物が利用する一連のプロセスの中で、海洋生態系に吸収され固定される炭素のことです。砕ける白波と共に大気はどんどん海中に溶け込んでいるのです。地球上の生物によって固定される炭素のうち 55%がブルーカーボンで、熱帯雨林よりも多いとされています。浅い海中には植物の海草(うみくさ)と藻類の海藻が生え、海草は水中で花を咲かせ、種子により増える種子植物のアマモ、ウミショウブ・・・などです。陸上植物と同じように、葉が持つクロロフィル(葉緑素)が水中に入る太陽光で光合成(炭酸同化作用)を行い、海底に根を張り生育します。一方の海藻は藻類で、食用になるアオノリ、コンブ、ワカメ、テングサ・・・などです。海藻類は緑より黄褐色や赤色などが目立ちますが、クロロフィルや多彩な光合成色素を持ち、光合成を行います。海草・海藻に加え水中に浮遊する植物プランクトン、熱帯のマングローブ林や体内に褐虫藻を共生させるサンゴ、水際の塩性湿地植物なども二酸化炭素を取り込み酸素発生型光合成を行い、二酸化炭素の軽減に貢献するブルーカーボンとされます。

グレートバリアリーフ

沖縄のサンゴ礁

サイパン


ボラボラ島

サンゴと島

グレートバリアリーフ


サンゴから発生する酸素

白保のアオサンゴ

ミドリイシの仲間


ミドリイシの仲間

海中から生えるマングローブ

マングローブ


塩生湿地

アラスカの塩生湿地

カリフォルニアの沼沢草生海岸


海岸の海藻

ジャイアントケルプ

ケルプの海岸


アラメ

ジャイアントケルプ

オニワカメ


オニワカメ

リシリコンブ

テングサ


アマモ場

天然コンブ

ハイミル


 ◆ 海の一言 :『浜辺=海と陸の境目』


「浜辺」は潮が一番引いた時の海と陸の境界線である低潮線と、満潮時に波が打ち上げ、波浪の作用の及ぶ陸の一番上の限界との間の事です。漠然とした意味では、波に洗われる波打ち際の広範で平坦な、砂の多い海岸を指す事が多いようです。万葉集以来「浜辺」の表現には様々な言葉が用いられてきました。現代において使用されている言葉を見渡しても、微妙にニュアンスの異なる日本語の繊細な用語・用法が感じられます。また、使い方、使用する場面によっても意味合いが変わってきます。海岸、海浜、海辺、浜、海端、海際、水際、岸、岸辺などたくさんの言葉がありますが、岸に沿ったところ、陸地が水に接するところで、汐の干満や波にさらされる部分を中心にやや広い一帯を指します。渚、汀、汀渚は水際の濡れる狭い部分で、ほとんど波のない水辺に対し情緒的・感情的に使われます。同じ部分でも、波打ち際、波際になるとやや波が高い状況に使われます。

セイシェル

オーストラリア

ハワイ




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