2019年12月のテーマ写真館




 《 東京湾の魚 》


大きな意味で東京湾は、三浦半島の剱崎と房総半島の館山西の洲崎を結んだ線とされ面積は約1,320平方kmです。外洋や相模湾に接する入り口付近に黒潮の支流が流れ込むため、上流に当たる南方から卵や稚魚、幼魚が流れ着き、海水温が高い夏から秋にかけて東京湾入り口付近で熱帯系の魚が見られます。ほとんどが低水温に耐えられず、冬には姿を消してしまう季節来遊魚(死滅回遊魚)ですが、最近は海水温の上昇のため、南方系の魚が越冬して一年中見られ、世代交代を行い、定着する種類もでてきました。

カンムリベラの幼魚

ナガサキスズメダイの幼魚

タテジマキンチャクダイの幼魚


コガネキュウセンの幼魚

ソメワケヤッコの幼魚

ハナキンチャクフグ


アマミスズメダイ

アジアコショウダイの幼魚

フエヤッコダイ


フタスジリュウキュウスズメダイの幼魚

クダゴンベ

キツネベラの幼魚


アカオビハナダイの幼魚

イッテンチョウチョウウオの幼魚

コガネスズメダイの幼魚


ヤリカタギの幼魚

ミヤケテグリの幼魚

トゲチョウチョウウオの幼魚


 ◆ 海の一言 :『オタリア』


日本に野生の生息が無いため、学名Otaria flavescensの種小名、Otaria「オタリア」=ギリシャ語で「小さな耳」の意味、を標準和名としたものです。オタリアは南米大陸南部のチリ、ペルー、ウルグアイ、アルゼンチンなどの沿岸やフォークランド諸島など沖合の島々に生息するアシカの仲間で、大航海時代にヨーロッパに知られました。雄はライオンのようにタテガミを有する事から、「海のライオン」の意味で、アシカの英名「Sea Lion」の基になりました。体長・体重には幅がありますが、雄の成体は体長2.6m、300kg程度で、雌は雄よりも小さく、体重は雄の半分ほどです。主にイカや魚を食べますが、ペンギンを襲って食べることもあります。天敵はシャチで、繁殖地の砂浜に体を乗り上げて襲う事もあります。雌や若い雄にはタテガミは無く、雄は成体になると頭部が大きく発達し、タテガミが伸び、少し上向きの鼻が特徴です。強い雄は雌を10頭ほど従えてハーレムを作って繁殖します。子供はビロードのような黒い産毛ですが成長につれて脱ぎ捨て、ごわごわなオレンジがかった黒い毛に包まれます。

子供

ハーレム




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