2019年10月のテーマ写真館




 《 海の世界遺産・オーストラリア 》


オーストラリアは大陸や近隣のタスマニア島に加え、数多くの島々を南極海などにも領有しています。シドニーのオペラハウスなど文化遺産、大陸に隣接する世界最大のサンゴ礁のグレート・バリア・リーフ、インド洋に面した世界第二のサンゴ礁のニンガルー・コーストやシャーク湾に加え、ニュージーランドとの間のタスマン海に浮かぶ、「オーストラリアのガラパゴス」とも称されるロード・ハウ島、南極海に浮かび世界で唯一マントルが地表に現れたマッコリ―島、インド洋南の南極海に浮かぶ寒冷地生物の宝庫のハード島やマクドナルド諸島など多数の世界遺産が登録されています。

ボールズ・ピラミッド、ロード・ハウ島

ハード島

成長する岩・ストロマトライト、シャーク湾


マントルとオウサマペンギン、マッコリー島

ロイヤルペンギン、マッコリー島

ジュゴン、シャーク湾


グレートバリアリーフのサンゴ礁

ジンベエザメ、ニンガルー・コースト

カスリハタ、グレートバリアリーフ


ナンヨウマンタ、ニンガルー・コースト

サンゴの産卵、グレートバリアリーフ

固有のバリナエンジェルフィッシュ、ロード・ハウ島


マクドナルド島

シェルビーチ、シャーク湾

シドニー・オペラハウス


 ◆ 海の一言 :『サンマ(秋刀魚)』


サンマ(秋刀魚)といえば我が国の秋を代表する重要な食材で、落語「目黒の秋刀魚」にもある通り、江戸時代以前から広く食されてきた魚です。ところが今年はサンマの不漁が伝えられ、高嶺の花、となっています。原因は、地球規模の気候変動による水温変化、海流の流路の変化、外国漁船による乱獲・・・いろいろ言われます。動物プランクトン食のサンマの養殖は採算が合わないそうですが、福島県の「アクアマリンふくしま」では水槽内での人工繁殖に成功し、歴代繁殖を続けています。サンマはダツ目・サンマ科・サンマ属の、北太平洋に広く生息する回遊魚で、日本の太平洋側では黒潮の暖流域で孵化し、海流に乗って北上します。夏季はオホーツク海方面に回遊し豊富な餌を食べて成長し、秋になると脂が乗った体になって、親潮に乗って北海道から東北近海を南下します。そして、近畿・九州沖まで南下し、流れ藻に産卵します。寿命は1〜2年で、通常2年で全長35〜40cmに成長し、表層近くを大群で泳ぐため、流し網漁や光に集まる習性を利用する棒受け網漁によって漁獲されます。「サンマ」名の由来は、「細長い魚」を意味する古称「サマナ(狭真魚)」が「サンマ」と変化したとする説と、大群をなして泳ぐ習性を持つことから「大きな群れ」を意する「サワ(沢)」と「魚」を意する「マ」からなる「サワンマ」が語源となったという説があるそうです。夏目漱石は、サンマを「三馬」と記しましたが、「秋刀魚」という漢字表記は、秋に旬を迎えよく獲れることと、細長い金属光沢から刀をイメージしたものだそうです。




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