2018年12月のテーマ写真館




 《 南極海の世界遺産ハード島(Heard Island) 》


オーストラリア西岸のパースから4100km、南極大陸から1720km、インド洋と接する南極海に浮かぶ、氷河に覆われた390キロ平方メートルの島です。英国のオットセイ狩りの船長によって1833年に発見された、とされますが正確な記録がなく、1853年にアメリカのジョン・ハードが発見した、という説から名が付けられました。年平均気温1度,平均日照1.7時間、年330日雨や雪が降る厳しい気候です。1908年に英国が領有権を主張し、オーストラリアに引き継がれました。一時オットセイ狩りの猟師が住み着いたり、観測基地が置かれましたが、現在は無人島で、世界遺産に指定されています。1987年に爆発した活火山があり、爆発後の状況を調査する学者らとともに、オーストラリア政府の許可を得て、訪れました。

夕暮れのハード島

ハード島の最高峰

火山灰の上のオウサマペンギン


船首と島影

ミナミゾウアザラシとオウサマペンギン

海に流れ込む氷河


海岸に落ちる氷河

ミナミゾウアザラシ

昔のオーストラリア基地


ハード島と付近の小島

ケルゲレンキャベツ

ヒョウアザラシ


 ◆ 海の一言 :『アシカ』


「アシカ」はアシカ科アシカ属に属する海獣類で、カリフォルニアアシカ、ガラパゴスアシカ、二ホンアシカの総称です。「アシカ」と言えば軽快でバランス感覚が抜群に優れ、身軽でコミカルなショーを行っていますが、水族館や動物園で見られるのは全てカリフォルニアアシカです。日本沿岸にも、昭和の初めまで二ホンアシカがいましたが絶滅してしまいました。歴史的な資料の日本後紀や和漢三才図会などに二ホンアシカが「海驢」、「葦鹿」と記されているそうです。葦原の海岸に上陸して休み、角が無い雌シカに似るところから「葦原の鹿」で、「葦鹿」と呼ばれたそうです。一方、「海驢」は海のロバ、という意味だそうです。

<関連書籍>
「マーメイド・ドリーム(海に帰った動物達)」(TOTO出版刊)中村庸夫:著・写真
「海獣たちの地球」(誠文堂新光社刊)中村庸夫:著・写真

ガラパゴスアシカ

カリフォルニアアシカの雄

水中のカリフォルニアアシカ




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