2017年12月のテーマ写真館




 《 レビジャヒヘド(レヴィア・ヒヘロ)諸島(メキシコ) 》


メキシコの太平洋岸、バハ・カリフォルニア南端のサン・ルカス岬の南南西386km程に点在する諸島で、ソッコロ、クラリオン、サン・ベネディクトなどの島々と小さな岩礁から成り、面積は合計で169キロ平方メートルです。1533年にスペイン人によって発見されましたが、その後忘れられ、1793年にイギリスの航海家が再発見しましたが、直後に海賊に捕まり、それを開放してくれたスペインのメキシコ植民地の総督だった人の名にちなみこのあたり一体の島はアルチピエラゴ・レビジャヒヘドとされました。大陸棚から離れて独立する火山島で、固有の生物が数多く生息し、地質学的、生物学的に「メキシコのガラパゴス」とも呼ばれます。海洋生物の面においても特異な生態系のため固有種も多く、2016年に世界自然遺産に登録されました。世界中のダイバーを魅了する場所で、ボルボックスも1週間の取材を行っています。

関連書籍
「島の名前」(東京書籍刊)中村庸夫・写真、著

サン・ベネディクト島の巨岩

溶岩が浸食されたサン・ベネディクト島

サンベネディクト島付近のアーチ


ロカ・パルティーダ

サン・ベネディクト島の奇岩

海鳥の糞で白くなったロカ・パルティーダ


諸島最大のソッコロ島

サン・ベネディクト島と取材に使ったボート

ソッコロの沖2キロに浮かぶ岩礁のイスラ・ロス・モロス


水中から見たカツオドリ

オニイトマキエイ

巨大なオニイトマキエイとダイバー


クラリオンエンジェルフィッシュの幼魚

固有種のクラリオンエンジェルフィッシュ

レザーバスの幼魚


メキシコタキベラ

サカタザメの仲間

カッポレ


 ◆ 海の一言 :『江戸湾と東京湾』


東京湾は南に向けて太平洋に開けた湾で、狭義には三浦半島の観音崎と房総半島の富津岬を結んだ線の北側部分で、広義には三浦半島の剱崎と千葉県館山市の洲埼灯台を結んだ線より北側の浦賀水道を含んだ海域を指します。江戸時代には、佃沖の漁場を指す「江戸前」や、品川沖から葛西沖あたりまでを含む「江戸前海」などの呼び名があったそうです。湾全体は取り囲んでいる武蔵・相模・上総・下総の「内海」と考えられ、全体を指す「江戸湾」の名は近年になって造られた造語で、明治時代以前には無かったものです。明治維新後、江戸が東京と改称され、湾岸の最大の都市名から「東京湾」、海図では「東京海湾」とされ、最近「東京湾」に統一されたものです。

古くから東京湾は良い漁場で、オオミズナギドリが魚を追う

観音崎灯台。観音崎と富津岬を結ぶ線が東京湾で最も狭い

江戸前の海が埋め立てられお台場となった




海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。