2017年6月のテーマ写真館




 《 ヤドカリ 》


ヤドカリは、カニやエビと同じ十脚目の生物で、主として巻貝の貝殻などに体を収め、貝殻を背負って身を守りながら生活します。体は甲殻の頭胸部と柔らかい腹部に分かれ、胸脚の第1対は鋏脚で、多くの場合左右不対称で、片方が大きく、体を殻に引っ込めた時に大きい方の鋏で入り口に蓋をし、小さい鋏で餌を獲ります。歩脚として使われるのは第2・第3対の2対4本で、第4・第5胸脚は短く、貝殻の中で体を保持するために使われ、これが強力でヤドカリを殻から出すのには苦労します。長い袋状の腹部は巻き貝の殻等に体を収めるために螺旋状に変形しています。成長とともに脱皮して、新しい大きな貝殻を探し、鋏脚でサイズを測り、器用に宿替えを行います。

カンザシヤドカリ

コモンヤドカリ

ユビワサンゴヤドカリ


ホンヤドカリ

オイランヤドカリ

ヨコスジヤドカリとイソギンチャクの共生


イソヨコバサミ

ヤマトホンヤドカリ

カイメンヤドカリ


ホンドオニヤドカリ

オカヤドカリが鋏で蓋をし殻に隠れる

オカヤドカリ


ホンヤドカリの宿換え1

ホンヤドカリの宿換え2

ホンヤドカリの宿換え3


 ◆ 海の一言 :『宿借』


英語ではhermit crab(ハーミットクラブ)で、硬いヘルメットではなく、意味は隠者、世捨て人、独居性の動物などです。 ヤドカリは常に「住宅難」で、使える殻の数がヤドカリの数を制限しており、殻の奪い合いも起こります。成長して宿替えを行う際に、貝殻が見つからないと、プラスチック容器なども利用します。新しい宿が手に入らない場合は、小さな殻から体がはみ出したまま暮らしています。海岸に貝殻をたくさん巻いておくと、ヤドカリがどんどん増える事が知られています。暖かい地域にはオカヤドカリがいますが、産卵は海で行い、幼生はプランクトンとして海の中で育ちます。そして脱皮して成長すると、陸に上がって貝殻を探すのです。

イシダタミヤドカリ

オカヤドカリ

ホンヤドカリ




海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。