2015年9月のテーマ写真館




 《 東京湾大華火祭 》


8月8日の夕べ、東京港晴海埠頭前の海岸・海上から1万2千発が打ち上げられる、日本でも有数の「東京湾大華火祭」が行われました。夕方から晴海会場や、対岸のお台場海浜公園は見物客でぎっしりと埋まり、海上には100隻を超える屋形船やプレジャーボートが集まりました。海上に浮かべられた台船からの打ち上げのため「尺5寸玉」と呼ばれ、上空で開くと直径400mにもなる巨大花火の連発もあり、潟{ルボックスの地上150mにあるオフィスの窓いっぱいに華が咲きました。終盤には連発された花火の煙に花火の一部が隠れてしまう程でした。42,000人分の観覧席が作られた、メイン会場の晴海で今後、東京オリンピック選手村の工事が始まるため、今年が最後の東京湾大華火祭だったそうです。潟{ルボックスから見た花火や夜景をお楽しみ下さい。

花火見物の屋形船

花火見物の屋形船

花火が終わって帰り出す屋形船





煙が滞り花火が隠れてしまった


 ◆ 海の一言 :『ヨダレカケ』


鹿児島県の屋久島や口永良部島に生息するイソギンポ科の魚で、下唇に、赤ちゃんの「ヨダレカケ」のような形の吸盤があるためこの名前です。岩礁域の潮上帯や飛沫帯の空気中に生息し、「陸に棲む魚」として知られています。口の中や体に付いた海水から酸素を取り込む皮膚呼吸を行い、長時間水に入ると、呼吸がしづらいようで、吸盤で吸い付いて波打ち際の濡れた岩をよじ登り、空気中で暮らします。魚なのに水に入るのが嫌いで、大きな波がくると岩の上をジャンプして逃げ回り、逃げ切れないときは、波にさらわれないように岩にしがみつき、波が引くのを待ちます。移動の際は水面上で小刻みな連続ジャンプをして体が水に沈まないようにします。更にこの魚、なんと空気中の、波しぶきはかかるが水没しない岩穴の中に産卵し、雄が卵を守ります。陸上動物の祖先が水中から徐々に上陸してきた進化の過程を解くカギを握る魚なのかもしれません。

ヨダレカケ

ヨダレカケの顔

岩場のヨダレカケ




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