2015年2月のテーマ写真館




 《 クロマグロ 》


日本沿岸を主に、太平洋の熱帯・温帯海域に広く分布する大型魚で、成魚は全長3m、体重400kgを超えます。群れをなして外洋の表層・中層を高速で回遊し、他の魚やエビ類、イカ類などを餌にします。重要な食用魚で、7種類のマグロの中で最も高級なため、魚介類として流通する場合「本マグロ」とも呼ばれます。南日本から台湾にかけての温暖な海域で春から夏に産卵し、孵化した仔魚は小動物を捕食しながら成長し、5年ほどで性成熟します。曳縄(トローリング)、延縄、巻き網、突きん棒、定置網などで漁獲されますが、中でも大間の一本釣りで漁獲された魚が高額で、1匹、1億5540万円で取引された事で有名です。寿司や刺身の高級魚で、近年は海外でも多く消費されるようになって乱獲が進み、国際的に漁業規制や資源管理が課題となっています。海の写真の潟{ルボックスには海中の生態から漁業、水揚げ、競り、解体、調理、あらゆる鮪料理まで、「マグロの全て」が揃っています。

関連書籍
「マグロのすべて」(平凡社刊)中村庸夫・著


水中を泳ぐクロマグロ

クロマグロ(ホンマグロ)

釣られたクロマグロ


クロマグロの水揚げ

クロマグロ釣り(大間、青森)

クロマグロ釣り針


クロマグロ

市場のクロマグロ

クロマグロの品定め


クロマグロ解体

クロマグロ解体

クロマグロのサク作り


のり巻き作り

クロマグロ大トロの刺身

クロマグロの握り


クロマグロの握り各種

クロマグロ赤身ののり巻き

クロマグロ鉄火丼


 ◆ 海の一言 :『「ハンドウイルカ」 と 「バンドウイルカ」』


水族館などで一番おなじみのイルカは、水族館や図鑑により「ハンドウイルカ」、と「バンドウイルカ」両方の表記があります。歴史的に最初に登場したのはハンドウイルカで、江戸時代の書物にも「半道海豚」と記されているそうです。「ハンドウイルカ」は、北九州から能登方面で使われている名前で、大きさがクジラとイルカの中間程で、中途半端な事から「半道海豚」とされたものだそうです。こうしたことから標準和名ではハンドウイルカですが、「バンドウイルカ」という呼称も広く使われています。一説によると、1957年に鯨類学者である西脇昌治氏が論文を発表した際に、誤植で「バンドウイルカ」と印刷され、「それで良いじゃないか」、と容認したのが原因とされます。その後、古くからの「ハンドウイルカ」と、誤植で生まれた「バンドウイルカ」が混在するようになってしまい、「坂東海豚」の漢字も新たに生まれました。現在、学会などで使われているのは主にハンドウイルカとなっています。

ハンドウイルカ

ハンドウイルカ

ハンドウイルカ




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