2014年9月のテーマ写真館




 《 タツノオトシゴの仲間たち 》


「龍の落し子」と記されるタツノオトシゴは、伝説の動物が残した子孫といわれるだけあって、とても魚とは思えない不思議な容姿、変わった生態をしています。体の外側に骨格がある外骨格で体が硬く、普通の魚のような泳ぐための尾鰭を持たず、細長い尾部が巻きこんでいて、これを海藻やサンゴに巻きつけ流されないように掴まって棲息します。  産卵行動も変わっており、雌は雄の腹の育児嚢と呼ばれる袋の中に卵を産みつけ、雄が卵を守り、雄が卵から孵化した子供を「出産」します。
 タツノオトシゴは英語で「Seahorse(海の馬)」と呼ばれ、日本にも「オオウミウマ(大海馬)」や「クロウミウマ(黒海馬)」という種類がいます。海外には「Big-belly seahorse」または「Pot-bellied seahorse」と呼ばれる種類がいて、直訳すると「太鼓腹のタツノオトシゴ」です。また、体長1〜2cmの極小のタツノオトシゴは「Pygmy Seahorse(小人のように小さいタツノオトシゴ)」で、近年日本でも「ジャパニーズピグミーシーホース」と呼ばれる種類が見つかっています。
 「タツノイトコ(龍乃従兄弟)」という種類は、同じヨウジウオ科ですが属が異なり、形態も異なるところから兄弟ではなく従兄弟という事で名づけられました。


ハナタツ

ピグミーシーホース

タツノオトシゴ


タツノオトシゴ

ジャパニーズピグミーシーホース

オオウミウマ


オオウミウマ

オオウミウマ

オオウミウマ


クロウミウマ

イバラタツの仲間

イバラタツ


イバラタツの仲間

タカクラタツ

サンゴタツ


ショートヘッドシーホースの交接

ショートヘッドシーホースの出産

ショートヘッドシーホース子供


ビッグベリーシーホース

ビッグベリーシーホース

タツノイトコ


 ◆ 海の一言 :『ホーン岬』


南アメリカ大陸最南端の沖合に浮かぶチリ領、ホーン島の、最南端の岬です。17世紀にオランダ人のウィレム・スホーテンらがヨーロッパ人として最初にこの岬を発見して回り、生まれ故郷オランダの町ホールンにちなみホールン岬(Kaap Hoorn)と名付け、英名Cape Hornとなったものです。国際水路機関により、岬を横切る経線が大西洋と太平洋の境界と定められました。ホーン岬はドレーク海峡を挟んで南極大陸と向き合い、近海に速いホーン岬海流が流れ、年間を通した西風が強い暴風地帯で、大航海時代以降、船乗りたちから「世界で一番の難所」と言われていました。大西洋から太平洋に向かう多くの船が難破しており、この岬を西に向かって通過した帆船の船長には、船乗りとしての最高の栄誉である「アルバトロス」と呼ばれる称号が与えられました。

ホーン岬

嵐の船首波




海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。