2014年8月のテーマ写真館




 《 世界遺産の小笠原諸島 Part 2 》


東西約1800km,南北約1000kmにわたる広大な海域に散在する大小180あまりの島々とたくさんの岩礁からなり、総面積は約106.14kuです。聟島列島、父島列島、母島列島、三つの火山島からなる硫黄島列島(別名・火山列島)や、西之島、日本最東端の南鳥島、および日本最南端の沖ノ鳥島からなります。
島々には石器時代にマリアナ先史人のラッテ人が渡った痕跡が残り、その後、太平洋に進出したスペインやオランダ、イギリス、フランス、アメリカそして中国やロシアの船などに発見されています。また、ジョン万次郎など、我が国から漂流して発見された島もあります。文禄2年(1593) 信州深志(松本)の小笠原民部少輔貞頼が発見し、諸島の名はその名にちなむ、と伝えられます。1830年に白人やハワイの先住民が父島に上陸し最初の居住者となりました。英語で諸島はボニン・アイランド(Bonin Islands)と呼ばれますが、「無人(ぶにん)」からくるもので、日本語が英語になった例とされます。文久1〜2年(1861〜2年)幕府の外国奉行、水野忠徳等らが咸臨丸で踏査の際、それぞれの島に父・母・兄・弟・姉・妹・姪・聟・嫁など親族名を付けたといわれます。
開国後、明治9年に国際的に日本領土と認められました。太平洋戦争の結果、1946年に米国の軍政下におかれ欧米系島民が帰島しましたが1968年に返還され、東京都の行政管理下となりました。
黒潮と北赤道海流の影響を受け亜熱帯的気候を示し、年平均気温は約23度で、動物・植物の固有種にも恵まれ、ユネスコの世界自然遺産に登録されています。


洋上より眺める父島

人気スポット南島の扇池

聟島からの風景


水面下のハシナガイルカ

ミナミバンドウイルカの群れ

サンゴ礁には魚が集まる


カツオドリのメス

母島固有のメグロ

小富士より眺める南崎と奥に向島(母島)


海面から顔を出して呼吸をするアオウミガメ

海中を泳ぐ若いアオウミガメ

生まれたばかりのアオウミガメの赤ちゃん


砂浜を歩くオカヤドカリ

大きなアカイセエビが多く見られた

サンゴの間から顔を覗くサンゴガニ


大人しい性格のシロワニ

ヨスジフエダイとノコギリダイの群れにアジアコショウダイが混ざって泳いでいた

ダイバーに人気のイソマグロの群れ


明け方に舞うオガサワラオオコウモリ

旭山より望む二見港(父島)

聟島列島の針之岩


ツアーボートが小笠原丸の出港を見送る

ハートロックと呼ばれる千尋岩(父島)

ウェザーステーション展望台より望む夕日(父島)


 ◆ 海の一言 :『豆南諸島』


伊豆七島は本州に一番近い伊豆大島から八丈島にかけての大きな7つの島々です。一般の認識では、伊豆七島のすぐ向こうに小笠原諸島が連なっていると思いがちですが、「伊豆七島」と「小笠原諸島」の間にはたくさんの島々があり、『豆南諸島』と呼ばれ、それらを含めて『伊豆諸島』と呼ばれます。八丈島から南には青ヶ島や、水面からわずか9.9mの岩礁のベヨネーズ列岩、須美寿島(すみすじま)や、アホウドリで有名な鳥島、さらに南には豆南諸島最南端の孀婦岩(そうふいわ)が海中から99mまで聳え立ちます。いずれの島々も、スペイン人やオランダ人による発見の可能性が高く、名前も漢字で書かれていても西洋の伝説にちなむなど洋風です。

孀婦岩

鳥島




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