2014年7月のテーマ写真館




 《 イカ(烏賊) 》


北極海から南極海まで、全世界の浅海から深海まで、あらゆる海に棲息します。体長2cm程度のヒメイカから、最大で20mに達するダイオウホウズキイカまで、種類によって大きな差があります。軟体動物の中の、頭から足が生える頭足類に分類される十腕形目で、タコの足が8本に対して、イカは通常10本の足ですが、中には8本しか足が無いタコイカなどもいます。体内には軟体類独特の貝殻=軟甲(イカの甲やツツイカの骨)を持ち、コウイカ科では石灰質の船形で、トグロコウイカでは、オウムガイのように巻貝状です。中には発光するホタルイカなどもおり不思議な生物で、最近は深海生物のダイオウイカ(大王烏賊)が頻繁に網にかかったりして話題となっています。漏斗からの噴水と外套膜の収縮や、エンペラと呼ばれるひれを使って前後に自在に泳ぎます。皮膚には色素細胞が並び、精神状態や周囲の環境に合わせて体色を自在に変化させます。敵に襲われた時などは頭と胴の間から海水を吸い込み、漏斗から水を噴出するジェット噴射で高速移動します。また、体内に墨袋(墨汁嚢)を持ち、墨を吐いて敵の目をくらませます。タコの墨は外敵に対する煙幕で、イカの墨は紡錘形にまとまり、自分の体と似た形を作り、敵がそれに気を取られている間に逃げるそうです。イカが生きている時は・・匹、水揚げされると・・杯、干すと・・枚と数え方が変化する面白い生物でもあります。


婚姻色のコブシメ

スルメイカ

ハナイカ


ケンサキイカ

最小のヒメイカ

ミミイカ


アオリイカ

コウイカの餌取り

コウイカの交尾


コウイカの卵の中の子供

ケンサキイカの卵の中の子供

孵化後のケンサキイカの子供


発光するホタルイカ

ケンサキイカ色素胞

イカ漁の漁火


スルメイカ干し

アオリイカの干物干し

ホタルイカ漁


ダイオウイカの標本

ソデイカ

8本足のタコイカ


 ◆ 海の一言 :『ジンベエザメとクジラザメ』


ジンベエザメ:「甚兵衛鮫」は体長18mにも達するプランクトン食の地球上最大の魚です。灰色い背中に白い斑点が多数あり、それが江戸時代から関西を中心に寒い時に上から羽織って着られた労働着や普段着で、甚兵衛(じんべえ)という人が着ていたのが由来とされる「甚兵衛羽織」に似ることから名づけられたとされます。英名ではクジラのように大型なため「whale shark(クジラザメ)」と呼ばれるため、海洋小説ではそのまま「クジラザメ」と訳す不思議な翻訳家もいます。

ジンベエザメ

ジンベエザメ

ジンベエザメ




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