2014年6月のテーマ写真館




 《 世界のトップ水族館 》


大阪の海遊館が出来た頃(1988年)は、都会の真ん中にできた世界最大級(5,400ton)の水槽にジンベエザメが泳ぐ水族館、として話題になりました。その後、沖縄の美ら海水族館(2002年)ができ、アクリルガラスの幅が22.5m(7,500ton)でギネス認定、世界一となり、たくさんのマンタやジンベエザメが泳いで、アッと言わせました。
その後、アラブ首長国連邦のドバイにアクリルガラスの幅32.8m(10,000ton)の水族館(2008年)が出来ました。しかし、水槽が大きな割に大物生物が展示されず、水槽だけの水族館、の印象です。
さらに、アメリカのアトランタにジョージア水族館が出来、今度は水槽の水量(23,500ton)が世界一となり、大西洋から400kmも離れた内陸でジンベエザメが飼育されるようになったのです。その後も水槽建設の技術の進歩が続き、シンガポールのセントーサにS.E.A.アクアリウム(2012年)が出来、アクリルガラスの幅が34mとなり、ギネス記録を奪いました。しかし、水槽が大きくなった分、魚が小さく見え、迫力が無くなりました。
そして今年、中国のマカオ近郊にそれを凌ぐ水族館「横琴長隆海洋王国」が建設され、アクリルガラスの幅39.6mが世界最大となったのです。
現在の水族館の大きさ比べを見ていると、水槽のアクリルガラスの大きさや、水槽の容量だけを競っているようで、肝心の水槽内に展示される魚の見応えや迫力、見易さでは、美ら海水族館が群を抜いていると思います。
アクリルガラスの接合技術、水圧を受けたたわみの計算、など複雑な要素をクリアーする技術が無いと、水槽の完成後に「曇りガラス」、になったり、接合面がくっきりと浮き出てしまったり、技術の差が歴然となるのです。こうした巨大水族館のアクリルガラスの製作の多くを、香川県の日プラ鰍ェ手掛け、自らの世界記録を次々に塗り替え、世界的な評価を得ているのです。


ドバイ水族館

モンタレーベイ水族館(アメリカ)

シンガポールS.E.A.アクアリウム


大阪・海遊館

沖縄美ら海水族館

沖縄美ら海水族館


のとじま水族館

アトランタ・ジョージア水族館

アクアリウム・オブ・アメリカ(ニューオーリンズ)


ツーオーシャンズ水族館(南アフリカ)

モナコ海洋博物館

フロリダ水族館


 ◆ 海の一言 :『ツーオーシャンズ水族館』


アフリカ大陸の最南端の大都市が、南アフリカのケープタウンです。大陸南端のアグラス岬や、喜望峰にほど近く、インド洋と大西洋に挟まれた都市です。インド洋から暖流が流れ、インド洋側にはサンゴが生育し、大西洋側には南極方面から寒流が流れ、ケープペンギンやミナミアフリカオットセイが棲息します。このように、沖合では二つの海流がぶつかり合い、世界有数の漁場ともなっています。ケープタウンでは、インド洋から陽が昇り、大西洋に沈むことから何かと「Two Ocean」の名前が使われているのです。

喜望峰、南アフリカ

ツーオーシャンズ水族館

ケープペンギン




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