2014年4月のテーマ写真館




 《 バハ・カリフォルニア(カリフォルニア半島) 》


アメリカのカリフォルニアからメキシコとの国境を越えて南に延びる半島で、陸上は砂漠のように乾燥した気候で、巨大なサボテンが聳える殺伐とした風景が広がります。しかし、半島の西側には栄養豊かなカリフォルニア海流がアラスカ方面から流れ、半島の東側は「世界一豊かな海」とされるカリフォルニア(コルテス海)となっています。シロナガスクジラ、ザトウクジラ、ニタリクジラが繁殖のために回遊し、コククジラは浅い入り江に入って出産と子育てを行います。また、ゾウアザラシやカリフォルニアアシカの繁殖地が随所にあり、ジンベエザメやマンタばかりか、さまざまな固有の魚も見られる、世界有数の「海の生物が豊富な海」に囲まれています。


シロナガスクジラ

サボテン

カリフォルニアアシカ


バハカリフォルニア

マイルカ

コククジラ


ボートの上で休むペリカン

キタゾウアザラシ

ヒレナガカンパチ


パナマポークフィッシュ

クラリオンエンジェルフィッシュ

イーストパシフィックバタフライフィッシュ


キングエンジェルフィッシュ

ガラパゴスカエルウオ

サイズバタフライフィッシュ


 ◆ 海の一言 :『コルテス海』


バハ・カリフォルニア=カリフォルニア半島とメキシコ北西部の北米大陸に挟まれ、南北方向に伸びる細長い湾で、カリフォルニア湾や、コルテス海(Sea of Cortez)と呼ばれる世界有数の「豊かな海」です。ロッキー山脈の源流からコロラド川が北米大陸西部を縦断し、グランドキャニオンを削って1日40万トンもの土砂を運搬し、国境を越えてメキシコ領内の河口からコルテス海に流れ込みます。ロッキー山麓には豊かな森が広がり、コロラド川はその栄養分をコルテス海へと運んでいるのです。ミネラル豊富な水にメキシコの強烈な太陽光が注ぎ、光合成作用により植物プランクトンが大発生し、それを餌にする動物プランクトンのオキアミの仲間が大繁殖し、それらがクジラやジンベエザメの食生活を支え、多様な生物が満ち溢れるのです。 こうした事から、2005年に「カリフォルニア湾の島々と自然保護区」の名前で世界遺産に登録されました。

コルテスエンジェルフィッシュ

ムンクズデビルレイ

バンドウイルカ




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