2013年06月のテーマ写真館




 《 ニンガルーコースト〜Ningaloo Coast(世界自然遺産) 》


2011年に、西オーストラリア州の『ニンガルーコースト』が「世界自然遺産」に指定されました。雄大なオーストラリア大陸の、インド洋に面した北西部に位置し、グレートバリア・リーフに次ぐ、世界第二の規模のサンゴ礁の、海洋公園=ニンガルー・マリンパークを中心とした海洋生物の多様性に富んだ地域です。北はエクスマス、南はコーラル・ベイの間の、海岸線長200km以上、沿岸の陸地部分も含め、705,015ヘクタールのエリアが世界遺産に登録されたのです。この海域では、3月末からサンゴの産卵が始まり、それに合わせてジンベエザメが回遊して来ることで世界的に知られます。最大魚類のジンベエザメが7月上旬までのサンゴの産卵時期に合わせて、餌となる卵や孵化した幼生のプラヌラ、そして豊富なプランクトンなどを求めてこの海域に多数留まるのです。この回遊時期に合わせ、エクスマスやコーラル・ベイの港から、水面で餌を食べるジンベエザメを見るための、ウォッチング・ボートやスノーケリングで見るスイム・クルーズが出航し、人気となっています。その他、オニイトマキエイ(ナンヨウマンタ)(5月〜11月)、ウミガメ、イルカ、ザトウクジラ(6月〜10月)など、様々な海洋生物の宝庫となっており、写真撮影には絶好の海域なのです。「類例を見ない自然美および美的要素をもつ優れた自然現象、あるいは地域を含み、生物の多様性に富んでいる」という登録の理由が頷ける海、それがニンガルーコーストなのです。


ジンベエザメ

ジンベエザメ

ジンベエザメ


ニノジトビウオ

ザトウクジラ

ザトウクジラ


ナンヨウマンタ

ナンヨウマンタ

ナンヨウマンタ


アオウミガメ

カモメとペリカン

ウミヘビ


スレッドフィンパールパーチ

カスリハタ

カスリハタ


 ◆ 海の一言 :『Aquarium(水族館)』


水族館とは、動物の分類に関係なく、「水に頼って生きる生物」を展示する施設です。昔は博物館しか無く、鉱物や植物の押し葉、押し花、乾燥標本、動物の剥製などが展示されるのが博物館でした。やがて飼育技術が高まると、生きた動物を展示する動物園が出来て人気となり、植物を中心に見せる植物園も出来てきました。そうした中で、水に頼る生物だけを集めて展示するようになったのが水族館(園)なのです。そのため、水族館では生物の分類には関係なく、魚類=魚、鰭脚類=アザラシ、アシカ、オットセイ、セイウチ、鯨類=クジラ、イルカ、藻類=海藻、マングローブや稲、水草、海草など水に頼る植物、両生類、爬虫類、甲殻類、その他あらゆる生物が展示されるようになったのです。そのため、水族館に行くとカエルやウミヘビ、水トカゲ、稲、水草、海藻、ウミホタルなどあらゆる分類体系の中の、様々な生物が見られるのです。

カリフォルニアアシカ

バンドウイルカ

キオビヤドクガエル




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