2012年12月のテーマ写真館




 《 フンボルトペンギン属 》


属名のSpheniscusは泳ぐ時の翼の形が、小さな「楔(くさび)のような」との意味だそうです。この属に含まれる、フンボルトペンギン、マゼランペンギン、ケープペンギン、ガラパゴスペンギンの4種はいずれも雪や氷とは縁のない温暖な地域に分布します。特にガラパゴスペンギンは赤道直下に生息するなど、特異な存在です。この属の腹面は白で、一本或いは二本の黒い帯が胸を横切ります。いずれのペンギンもロバが鳴く声に似ることから、ジャッカスペンギン属とも呼ばれました。ペンギンの分類や種類数は、学者や団体によって考え方が異なり、学者によってはフンボルトペンギン、マゼランペンギン、ケープペンギンの三種を独立種ではなく、亜種と考えます。しかし近年の、DNAによる分析では、別種とする考えが主流となっているようです。

フンボルトペンギン

フンボルトペンギン

グルーミング(毛繕い)をするフンボルトペンギン


フンボルトペンギン

ガラパゴスペンギン

ガラパゴスペンギン


ケープペンギン

ケープペンギン

ケープペンギン


マゼランペンギン

マゼランペンギン

マゼランペンギン


 ◆ 海の一言 :『深海』


深海に潜る事は水圧との戦いで、人間は潜水艇のチタンなどの金属の耐圧室に入って潜ります。しかし、深海生物は、体の組成が水分や脂肪分が多いため、水圧につぶされずに生活しているのです。深海は、一般的に水深200m以上の深い海を指しますが、厳密な定義はありません。深海には太陽光が届かないため藻類などが生育できず、表層とは環境や生態系が大きく異なります。高い水圧、低水温、光が届かない暗黒世界、低酸素などの過酷な条件に適応して、独自の進化を遂げた生物が生息します。 深海では、シーラカンスなど原始的な形態を持つ生物も生息しています。しかしサクラエビ、ホッコクアカエビ(アマエビ)、タカアシガニ、ズワイガニ、タラ、キンメダイ、アコウダイ、アカムツなどのように、季節や時間帯によって浅い海にも来るため、食用にされる深海生物も多いです。

タカアシガニ

ハシキンメ

潜水艇から見たマリンスノー



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