2012年11月のテーマ写真館




 《 マカロニペンギン属 》


頭の上に黄色やオレンジ色の眉毛や冠のような「冠羽」があるため「眉立ちペンギン」のグループとされ、マカロニペンギン、ロイヤルペンギン、スネアーズペンギン、フィヨルドランドペンギン、シュレーターペンギン、そしてイワトビペンギンの6種類が属します。
●マカロニペンギンはしゃれた髪型や帽子できざなイタリア男のイメージで、ロンドンの「マカロニクラブ」にちなみます。繁殖つがいが1,200万ペアーと最も多いところから、この属の代表とされています。
●ロイヤルペンギンは、上品で、顔が白く、容姿が「荘厳」なところから昔はソウゴンペンギンと呼ばれ、オーストラリア領のマッコリー島だけで繁殖します。
●スネアーズペンギンは嘴が太いところから「嘴太」ハシブトペンギンとも呼ばれ、ニュージーランド南のスネアーズ諸島の固有種です。
●フィヨルドランドペンギンは羽根毛から「黄眉」キマユペンギンとも呼ばれ、ニュージーランドのフィヨルドの海岸近くの雨林の中で繁殖します。
●シュレーターペンギンはマユダチペンギンとも呼ばれ、「眉立ち」で、眉毛を上げ下げでき、ニュージーランドの南の島だけで繁殖します。
●イワトビは「岩跳び」で、急な岩場をぴょんぴょんはねて登り、高い崖の上などにも集団繁殖地を作ります。 ペンギン中、最も攻撃的な性格で喧嘩っ早いけど、不良のイメージでスーパーハード(資生堂)のCMに出て人気者になりました。接近する人間にも興奮して黒い換羽を逆立てて、頬の羽毛をヒゲのように膨らませ、果敢に攻撃してきます。最近は生息地と若干の違いからキタイワトビペンギン、ミナミイワトビペンギン、ヒガシイワトビペンギンの3亜種に分けられ、鳴声の周波数が異なり言葉が通じない事が知られます。


スネアーズペンギン

スネアーズペンギン

マユダチペンギン(シュレーターペンギン)


ヒガシイワトビペンギン

キタイワトビペンギン

キタイワトビペンギン


マカロニペンギン

ミナミイワトビペンギン

ミナミイワトビペンギン


フィヨルドランドペンギン

ロイヤルペンギン

ロイヤルペンギン


 ◆ 海の一言 :『ビーグル水道(Beagle Channel)』


南アメリカ南端付近のフエゴ島と、その南側に位置するナバリーノ島、オステ島を隔てる全長約240kmの、南米最南端の海峡です。マゼランが1520年に発見したマゼラン海峡が南米最南端の海峡と思われていましたが、チャールズ・ダーウィンが1831年から1836年にかけて行ったビーグル号による地球一周航海の際に、さらにその南側に発見したもので、名前は同船に由来します。太古に氷河が削ってできた水道で、たくさんの氷河が水道に流れ込みます。この付近は、一年を通して強い西風が吹く厳しい気象条件で、ビーグル水道の南の、南極大陸と南米最南端のホーン岬の間のドレイク海峡では多くの船が難破しています。

プエルトウィリアムス(ナバリーノ島、チリ)

ヴェンティスクエロ・イタリア氷河(ビーグル水道、チリ)

ヴェンティスクエロ・ロマンチェ氷河(ビーグル水道、チリ)



海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。