2012年6月のテーマ写真館




 《 サンゴ礁(Coral reef) 》


サンゴが作り上げた地形を言い、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンが1842年に唱えたサンゴ礁の形と、出来方に関する学説が沈降説です。火山島が沈降して行くのに従い、その周囲にサンゴ礁が発達し、裾礁、堡礁、環礁、卓礁と順次形成されていくというものです。小規模なサンゴ礁は、離礁、エプロン礁などに分けられます。造礁サンゴのサンゴ虫が共棲する褐虫藻の助けを借り、海水中の二酸化炭素を取り込み、石灰質の骨格を作ります。こうした骨格がサンゴの死後も積み重なり、地形としてのサンゴ礁ができるのです。サンゴは空気中から、海に溶け込んだ二酸化炭素を固形化し、酸素を発生させるため、サンゴ礁は海の熱帯雨林と呼ばれます。サンゴ礁の頂部には生きたサンゴが生育しますが、サンゴが死んでいても、礁がサンゴで出来ていれば、サンゴ礁と呼びます。我が国にはサンゴ礁が約8万7000haあるとされ、その大部分が沖縄県と鹿児島県にあります。埋立てや海洋汚染、土砂の流入、オニヒトデによる食害、などでサンゴ礁は減少傾向にあります。海の写真のボルボックスには太平洋、大西洋、インド洋、カリブ海、紅海など世界中のサンゴ礁の空撮から水中まで、豊富な写真がストックされています。


北マレ環礁内に浮かぶ小環礁(モルジブ)

環状サンゴ島(カヤンゲル環礁、パラオ、ミクロネシア)

堡礁(ボラボラ島、タヒチ、フランス領ポリネシア)


白保の礁池(イノー)(石垣島)

サンゴ島(トラック諸島、ミクロネシア)

環礁の切れ目(アント環礁、ミクロネシア)


大堡礁(グレートバリアリーフ、オーストラリア)

ハート・リーフ(グレートバリアリーフ、オーストラリア)

大堡礁(グレートバリアリーフ、オーストラリア)


卓礁(フィジー)

環礁(フィジー)

裾礁(サイパン、ミクロネシア)


ドーナッツ礁、環礁(ルカン礁、沖縄)

テティアロア環礁(タヒチ、フランス領ポリネシア)

裾礁(ニューカレドニア)


八重干瀬(沖縄)

干上がったサンゴ礁(久場島、慶良間諸島、沖縄)

キノコ岩(ロック・アイランド、パラオ、ミクロネシア)


 ◆ 海の一言 :『チャールズ・ダーウイン』


ガラパゴス諸島は南米の沖合およそ1000kmの太平洋に赤道をはさんで点在する、15の島々と多くの岩礁からなる不思議生物の宝庫の諸島です。1835年にダーウィンがビーグル号で立ち寄り、さまざまな研究を行い、その記録『ビーグル号航海記』と、進化論を唱えた論文『種の起源』により世界的に知られ、1978年に世界自然遺産に登録されました。ダーウインはこうした航海で太平洋各地のサンゴ礁をつぶさに観察して、サンゴ礁の成因である「沈降説」も唱えた天才科学者なのです。

ガラパゴスウミイグアナ

ガラパゴスゾウガメ



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