2012年4月のテーマ写真館




 《 ベーリング諸島(コマンドールスキー諸島) 》


カムチャツカ半島の東150kmのベーリング海に浮かぶベーリング島と、メドヌイ島の2つの大きな島と、トーポリコフ島など小さな島々からなる群島です。1741年にロシア海軍のために働いていたデンマーク人のヴィトゥス・ベーリングがアラスカ探検からの帰路に発見しました。嵐で船が座礁して、越冬中にベーリングが壊血病で最期を遂げたのがベーリング島です。一般にはベーリング諸島と呼ばれますが、ロシアではベーリング隊長にちなみコマンドールスキー諸島(司令官の諸島)と呼ばれます。一行は、廃材で作ったボートでたくさんの毛皮を持ってペトロパブロフスクに帰ったのです。この後、毛皮猟師が押し寄せてゴールド・ラッシュのような状況となり、ロシアの進出が加速されましたが、現在はいずれの島も自然保護区となっています。


高緯度なので高山植物が海岸線に咲き乱れている

メドヌイ島

トドとキタオットセイのハーレム


ゼニガタアザラシの赤ちゃん

ラッコのラフト

トドのハーレム


オオセグロカモメ

雄と雌のキタオットセイ

キタオットセイのハーレム


巣穴から顔を出すエトピリカ

海岸で休むウミバト

オオセグロカモメ雛


古いサイドカーが見られた

装甲車が交通手段

ステラーカイギュウの骨


 ◆ 海の一言 :『ステラーカイギュウ』


海牛類にはジュゴン、アメリカマナティー、アフリカマナティー、そしてステラーカイギュウが棲息していました。1741年に、ベーリングの探検に同行したドイツ人医師で博物学者のゲオルグ・ステラーに発見、命名されましたが、海藻を食べ、水面に静かに浮かんで過ごすため、食用にされ、発見から27年後の1768年には絶滅し、命名者ステラー が書き残した資料と骨だけしか残されていません。体長9m以上、4トンにも達する地球史上最大の海牛でした。

ステラーカイギュウの骨

ステラーカイギュウ(イラスト:wikipedia)



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