2011年11月のテーマ写真館




 《 海の草原「アマモ場」 》


アマモは、「海藻」のワカメやヒジキなどの藻類と違い、陸上の草と同じように、根や茎(地下茎)を海底の砂地にはりめぐらせ、そこから海面に向けて葉を伸ばし、春になると水中で花を咲かせ、種を作る顕花植物の「海草」です。波が穏やかな、河口に近い入り江や湾の奥、港内などにはえ、潮が引くと水面近くにぎっしりと海面をおおう緑の「アマモ場」を作ります。隠れるところが少ない砂地に生え、葉の間や根元には隠れる場所ができ、海の生物が卵を産んだり、幼魚の時代を過ごし、成長する「海のゆりかご」とも言われます。シロギス、メゴチ、アオギス、ヒメイカ、タツノオトシゴ、などたくさんの生物がくらし、それを餌にする大きな魚などやってくる、生物のオアシスなのです。アマモは河口などの浅い砂地に広がって生育し、川から流れ込む生活廃水に多く含まれ、海水や底をよごす原因である窒素、リンなどを栄養素として吸収して成長するため、海水の水質保全に役立っています。また、光合成により成長するため、温暖化の原因である二酸化炭素を吸収して、酸素を放出し、地球全体の環境保全にも役立っているのです。


アマモ

海中のアマモ場

スガモ


ベニアマモ

アマモの仲間

アマモの花


カゴカキダイとウミタナゴ

キヌバリ

タツノオトシゴ


ホッカイエビ

アミメハギ

アオギス


タカノハダイ

クロサギ

ヒメイカ


トビイトギンポ

ニジギンポ

ヨウジウオの仲間


 ◆ 海の一言 :『磯』


「磯」とは、海ばかりか、湖などの波打ち際や水際の、特に、岩や石の多い海岸そのものや波をかぶったり流れに洗われたりする水際の岩石を「磯」と呼びます。「磯」の言葉は、「磯遊び」、「磯巾着」(イソギンチャク)、「磯魚」、「磯釣り」などいろいろ使われ、「磯明け」や「磯開き」などは磯の生物を採ることが解禁になる事、「磯焼け」は海藻の多くが無くなり水棲生物が減少する事、「磯粟餅」は軟体動物磯に見られ粟餅に似て感光する生物、「磯銀宝」(イソギンポ)、「磯ごんべ」、「磯鯊」(イソハゼ)、「磯場てんぐ」、「磯鮪」、「磯すずめだい」、「磯がに」「磯屑がに」「磯にな」「磯海綿」、「磯陰」、「磯貝」、「磯牡蠣」などたくさんの呼び名があります。

イソハゼ

イソガニ

ヒメイソギンチャク




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