2011年9月のテーマ写真館




 《 海の氷 》


北極海や南極海の氷山や氷盤はもちろん、冬のオホーツク海の流氷や、アラスカなどの氷河が崩れて海に落ちて浮かぶ浮氷など、さまざまな氷が海に浮かびます。氷山は大陸上に降り積もった雪が圧力で固まって海に流れ出たもので英語で「Iceberg」と呼ばれ、南極大陸とグリーンランドで出来、中には数キロもの大きさのものもあります。オホーツク海の流氷は「drift ice」と呼ばれ、アムール河の上流で凍った氷が海に出て、北海道まで流れてくるものです。氷河も、陸上に降った雪が固まって、谷間を下って海に流れ込むものです。こうした淡水が凍った氷とは別に、北極海や南極海では冬になると海の水も凍り「Pack ice」と呼ばれます。凍り始めは濃い砂糖水のようでり「シュガー・アイス」と呼ばれ、やがて「シャーベット・アイス」となり、さらにどろどろの「グリース・アイス」から、蓮葉氷「pancake ice」ができ、氷盤「ice floe」や流氷「drift ice」へと成長します。


大きな川の上流から流れてくる氷盤・セントローレンス河

南極海を進む南極観光船

南極の氷山と砕氷船


海水が凍り始めた蓮葉氷「パンケーキ・アイス」

セント・ローレンス湾、マドレーヌ島の漁船

北海道の流氷と漁船


氷山・北極海

流氷下のダイビング・北海道

北海道の流氷


南極の氷山

南極海の「Pack ice」

テーブル型氷山・南極海


アラスカの氷河と客船

アラスカ、ホイッティアの氷河

崩れる氷河


 ◆ 海の一言 :『鯨 (くじら)』


古事記(712年)に「久治良」との表記が登場し、「久治」は白黒を、「良」は得体の知れない大きな生き物を表すとされます。古代の朝鮮語で「大きな魚」が「イサナ」とされ、万葉集(759年)では、「勇魚」、「伊佐魚」、などと表記されたそうです。「鯨」の漢字は中国から伝わり、「京」は桁を表し、単位の「千、万、億、兆、京」けいによる、非常に大きいものを示し、魚偏に京で「鯨」となったものだそうです。鯨は魚ではありませんが、江戸時代、綱吉により布告された「生類哀れみの令」から逃れるため、「鯨は獣ではなく大きな魚だ」ということで、捕鯨が行われ、江戸時代から「鯨=くじら」が広く使われました。葬儀等の凶事の黒白の幕のを「鯨幕(くじらまく)」と呼ぶのもクジラの白と黒や畝須のジャバラに由来するそうです。

ザトウクジラ

ミナミセミクジラ



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