2011年5月のテーマ写真館




 《 エイ 》


平安中期には「加良衣比(カラエヒ)」とも呼ばれ、体が平たく形が似ているため、カレイとエイは同じ仲間と考えられていようです。エイの語源は多く、尾が長く桝の柄(エ)に似ているためや、枝のような針があったため枝刺(エハリ)、尾の長い燕尾(エビ)から転じたの諸説がありますが、決定的なものはありません。魚偏に覃と書いたり、魚偏に賁と書き「エイ」と読みますが、赤海鷂魚で、アカエイと読むものもあります。エイはサメとともに硬い骨を持たない軟骨魚類で、鰾(ウキブクロ)が無く、肝臓に脂質を蓄積して浮力を得て、肺もなく、脊椎動物の中でも原始的な分類群です。 多くの種類は他の魚と異なり、独特な鰭を左右同時に上下させて羽ばたくようにて泳ぎ、漕艇型とよばれます。俗称「マンタ」と呼ばれる魚は「オニイトマキエイ」一種類とされていましたが、近年の研究で二種類に分けられ、「オニイトマキエイ」と我が国近海で見られる「ナンヨウマンタ」とされました。エイ類はシビレエイ目、ノコギリエイ目、ガンギエイ目、トビエイ目の4 つの目に分類され、海の写真のボルボックスのは全ての目のエイがストックされています。


ナンヨウマンタ

オニイトマキエイ

ムンクイトマキエイ


ヒメイトマキエイ

マダラトビエイ

ルリホシエイ


トビエイ

Banded Stingaree

シビレエイ


ツバクロエイ

アカエイ

サカタザメ


ウシバナトビエイ

ウシエイ

トンガリサカタザメ


ノコギリエイ

シノノメサカタザメ

ヒョウモンオトメエイ


 ◆ 海の一言 :『アジサシ』


アジサシは「鰺刺」で、空中から水面近くの鯵めがけて上空から急降下して一気に突っこみ、刺すようにして捕らえる習性に由来しているのです。チドリ目・カモメ科やアジサシ科、アジサシ亜科などに属する多くの海鳥の総称ですが、その1種をアジサシとも呼びます。カモメ亜科の鳥に比べ、やや小型で、翼は細く、嘴(くちばし)が細く、脚が短いです。体型は全て似ていますが、真っ白なアジサシから真っ黒なアジサシまで、濃淡が様々です。

クロアジサシの群れ

魚をくわえるアジサシ



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