2011年3月のテーマ写真館




 《 魚の卵・産卵 》


魚は全て水の中で、丸い卵を、水中に産み放つ、と思ったら大間違いです。クサフグは夏の大潮の頃に海岸に打ち上げられて陸上に卵を生みます。また、グルニオンという魚は砂浜に上がって、砂に穴を掘って卵を生みます。サメの仲間には、海藻などに絡めるひも付きの卵を産むものもいます。雄の口の中に卵を産み、雄が餌を食べずに守る魚もいます。タツノオトシゴの仲間は雌が雄の育児嚢の中に卵を産み、雄が出産します。シードラゴンは雌が産んだ卵を雄の下腹部に接着し、雄が出産します。魚の世界の子孫繁栄は不思議だらけなのです。


卵を守るハナビラクマノミ

卵を守るトウアカクマノミ

卵を守るオレンジフィン・アネモネフィッシュ


ハマクマノミの卵

ハマクマノミの孵化直前の卵

孵化直後のナヌカザメ


ナヌカザメの卵

トラザメの卵からの孵化

トラザメの卵


ショートヘッドシーホースの出産

ショートヘッドシーホースの出産

ウィーディーシードラゴン


卵を持つウィーディーシードラゴンの雄

口内保育をするネオンテンジクダイ。卵の色はまだピンク

口内保育をするネオンテンジクダイ


陸上で産卵するグルニオン

グルニオンの卵

孵化直後のグルニオン


クサフグの海岸を白く染めての産卵

卵を守るガラスハゼ

ギンザメの卵


 ◆ 海の一言 :『マンボウ』


独特な体型の魚で、外観が円盤状なところから「円魚(マンボウ)」で、表層にぼんやり浮かんでいる事から「慢魚」、尻が切れた形から「尻切り」、など多くの変わった別名があります。英語でも「Head-fishes(頭の魚)」や、ドイツではSchwimmender kopf(泳ぐ頭)」。また、水面に横になって浮かぶところから、日向ぼっこする「Ocean Sunfish(太陽の魚)」などさまざまに呼ばれます。体重2.3tonと最も重たい硬骨魚類で、1度に約3億個と、最も多くの卵を産む脊椎動物です。卵は浮遊しながら発生し、ほとんど他の動物に食べられてしまい、成長できるのは1/100,000,000ほどとされます。

水面に横になって休む「マンボウの昼寝」



海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。