2011年1月のテーマ写真館




 《 海老(エビ) 》


エビは、節足動物門・エビ綱・十脚目(エビ目)に属する動物のうち、ヤドカリとカニを除いた生物の総称です。カニ、ヤドカリもエビ目に属しますが、一般的に、尾が長い長尾亜目がエビで、貝殻に合わせて尾が曲がった異尾亜目がヤドカリで、尾が短いのが短尾亜目のカニです。タラバガニがヤドカリ類であるように似ていて、かなり近い仲間なのです。
日本人にとってお目出度い食材生物は何と言っても伊勢海老で、伊勢湾で多く獲れ、伊勢神宮に奉納され、神事に使われるため、正月にふさわしい生物です。エビはいずれも高級で、食用にするエビは限られていますが、海中には他の海の生物と微妙な関係を保ちながら生活する、美しく、華麗なエビの仲間がたくさんいます。中には体が透明なカクレエビの仲間も多く、見えにくい事が生存競争で淘汰されないポイントなのかもしれません。ちなみに、「カッパエビセン」に張り付いているのはエビではなく、近い仲間のナンキョクオキアミです。


アメリカンロブスター

オーストラリアミナミイセエビ

伊勢で獲れた本物のイセエビ


カノコイセエビ

イセエビ

ゴシキエビ


アメリカンロブスター

ウチワエビ

コブセミエビ


ゾウリエビ

イセエビに次ぐお目出度い食材のクルマエビ

リョウマエビ


ボタンエビ

ホッコクアカエビ

トヤマエビ


ホッコクシマエビ(ホッカイエビ)

ヒトデが大好物の「振袖海老」フリソデエビ

「乙姫海老」オトヒメエビ


アカシマシラヒゲエビ(アカスジモエビ)

シロボシアカモエビ(ホワイトソックス)

スザクサラサエビ


ナガレモエビ

カザリイソギンチャクエビ

ムチカラマツエビ


オドリカクレエビ

ニセアカホシカクレエビ

ナデシコカクレエビ


 ◆ 海の一言 :『海老』


新井白石著の「東雅」(1719)に説明があるそうで、「えび」は、元来「葡萄」を指し、「葡萄色(えびいろ)」などに使われ、イセエビの色が「葡萄色」である所から海の生物を「えび」と呼ぶようになったとされます。エビを表すもともとの漢字は「蝦」、「鰕」の字で、「エビ」の読みを当てた「海老」や「蛯」の漢字は日本で作られ、エビが腰の曲がった老人に見えたためだそうです。イセエビなどの海底を歩行する大型のエビ類を「海老」または「蛯」、サクラエビなどの海中を泳ぐ小型のエビを「蝦」と表記して分け、英語でも大きさにより、イセエビ程度の大きなエビをLobster、クルマエビ程度のエビをPrawn、芝エビのように小さなエビはShrimpとされています。「車海老」は縞模様が体を丸く曲げると車輪のように見えることに由来し、「伊勢海老」は伊勢湾で多く獲れた事に由来するそうです。



海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。