2010年09月のテーマ写真館




 《 カニ 》


世界最大の足の長さで3mを超えるタカアシガニ、世界最重量で13kgにもなるタスマニアオオガニ、世界で一番棲息密度が高い1億2000万匹が棲むクリスマス島のアカガニ、砂団子を作る面白い習性のコメツキガニ、沖縄など熱帯・亜熱帯の沿岸で最大のノコギリガザミ、陸ガニなのに産卵は夏の満月の夜に海で行うアカテガニ、左右の挟みの大きさが大きく異なるシオマネキの仲間、人面を甲羅に持つヘイケガニ、オニヒトデを食べるサンゴガニ、雌を抱えて歩くカイカムリ、全身が毛深いケブカオウギガニ、ホヤを背負ってカムフラージュするクモガニの仲間、毒を持つマンジュウガニの仲間、二枚貝の中に棲むオオシロピンノなど様々なカニがいます。そして、高級食材のタラバガニは世界最大のヤドカリ、アブラガニやハナサキガニも実はヤドカリの仲間、南方で木に登るヤシガニも殻に入らない世界最大の陸ヤドカリ。ボルボックスにストックされているさまざまな珍しいカニを紹介します。


アカテガニ。陸ガニだが夏の満月の夜に海で産卵する

サンゴガニ。オニヒトデを食べてサンゴを守る

イソバナガニ。イソバナニに似せて擬態する


タスマニアオオガニ。世界最重量のカニ

トラフカラッパ。缶詰も開けられるほど強力なハサミを持つ

タカアシガニ。世界最長の脚を持つカニ


ミナミコメツキガニ。別名軍隊ガニとも呼ばれ大きな群れを作る

ノコギリガザミ。マングローブの干潟などに棲み強力なハサミを持つ

ルリマダラシオマネキ。左右のハサミの大きさが違いメタリックな色彩が美しい


カイカムリ。雄が雌を抱えて運ぶ

アカガニ。集団で海に出て産卵する陸ガニ

タラバガニ。殻に入らない最大のヤドカリの仲間


コメツキガニ。餌を食べながら砂団子を作る

キンチャクガニ。ハサミに毒のあるイソギンチャクを挟んで持ち身を守る

アサヒガニ。ユニークな形で普段は砂に潜り、前向きに歩く


ヤシガニ。陸上に棲む最大のヤドカリで木にも登る

ケブカオウギガニ。文字通り体が毛で覆われている

アカモンガニ。英名セブンイレブンクラブと呼ばれるアカモンガニ


クモガニの仲間。後脚でホヤを持ち歩く

オオシロピンノ。ムラサキイガイの中に隠れ棲む

イガグリガニ。栗のように多数の棘を持つヤドカリの仲間


 ◆ 海の一言 :『カニとヤドカリ』


カニとヤドカリは同じ「十脚甲殻類」という仲間で、頭と胸が甲で覆われ、はさみ脚と歩くための脚の合計が10本で共通しています。一般にヤドカリは巻貝の殻を背負うため、腹部が右にねじれ左右対称ではありません。それに対してカニ類は7つの節が集まって左右対称なのが分類の根拠です。ヤドカリは後ろの二対の脚が前の二対に比べて小さく、これを使って貝殻の中に溜まったゴミなどをかき出すのに役立てるため、足の数が少なく見えます。殻に入らないヤドカリのタラバガニの仲間は、いちばん後ろの脚が小さく、さらにメスの腹部がヤドカリと同じように右にねじれ、ヤドカリ時代の痕跡を残しているため「ヤドカリ」の仲間とされています。殻に入らないヤドカリはいずれも一番後ろの足が小さくて見えにくいため、一般に「はさみを含む10本足がカニの仲間で、タラバガニやハナサキガニなど8本足がヤドカリの仲間」、とされています。



海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。