2010年02月のテーマ写真館




 《 アシカ 》


「アシカ」はアシカ属の海獣の総称で、ニホンアシカ、カリフォルニアアシカ、ガラパゴスアシカの3種とされます。しかし、鰭脚類のアシカ亜科に含まれるオーストラリアアシカ、ニュージーランドアシカ、オタリア、トドを含める場合もあります。
「あしか」は絶滅したとされるニホンアシカの呼び方で、語源は「葦鹿」で「アシの生えているところにいるシカ」の意味とされます。
奈良時代には意味は不明ですが「みち」と呼ばれ、他に「うみおそ(うみうそ)」=「海にいるカワウソ」とも呼ばれ、佐渡島では「うみかぶろ」(海禿)の名の妖怪とされ、両津港近辺の海で人を騙した、という伝承があるそうです。ヨーロッパ人が初めて見た南米のオタリアにライオンのようなたてがみがあるところから、英語ではアシカ類の全てが「シーライオン sea lion」と呼ばれます。
アシカは運動神経が発達し、バランス感覚に優れるため水族館などでショーを演じ、コミカルな芸を披露するのは主にカリフォルニアアシカです。

参考文献:「海獣たちの地球」(誠文堂新光社)中村庸夫・著
「マーメイド・ドリーム」(ToTo出版・刊)中村庸夫・著
「おひるねアザラシ」(実業之日本社)中村庸夫・著



母親の背中の上で休むカリフォルニアアシカの子供

産まれたばかりのカリフォルニアアシカの子供

岩の上で寄り添って休むカリフォルニアアシカ


カリフォルニアアシカの親子

水面から顔を出してこちらを見つめるカリフォルニアアシカ

仲良しの若いカリフォルニアアシカ


餌を求めて回遊する数千頭のカリフォルニアアシカ

防波堤の上で休む若いカリフォルニアアシカ

マンボウを食べるカリフォルニアアシカ


おでこに特徴がある雄のカリフォルニアアシカ

好奇心たっぷりに水中からこちらを見るカリフォルニアアシカ

だらしなく昼寝するカリフォルニアアシカ


防波堤で休むカリフォルニアアシカ

ボートの上で休むカリフォルニアアシカ

昼寝をするガラパゴスアシカ


ニュージーランドアシカの親子

水中のガラパゴスアシカ

笑うカリフォルニアアシカ


水中で仲良く遊ぶオーストラリアアシカ

息を吐いて威嚇するトド

たてがみのあるオタリアの雄


 ◆ 海の一言 :『ニホンアシカ』


「日本海驢」は、本州沿岸で繁殖した唯一のアシカ科動物で、5〜6月にハーレムを形成して伊豆諸島や日本海の竹島で繁殖し、九州沿岸から北海道、千島、カムチャツカや、日本海側の朝鮮半島沿岸から南樺太まで回遊したそうです。シーボルトの『日本動物誌』にも記載され、1900年代まで相模湾、東京湾沿岸、三河湾周辺の篠島・伊良湖岬などに記録がありますが、イカやタコ、魚類などを食べるため、19世紀末から20世紀初頭に漁業者に駆除・乱獲され、皮や脂を捕り、肉と骨が肥料にされました。
かつて繁殖や休息のために上陸した場所に「アシカ島」、「アシカ岩」などの名が各地に残り、犬吠埼の「犬」もアシカのことだとされます。しかし、1974年に礼文島で幼獣一頭が捕獲されたものと、1975年に竹島で自然保護団体が目撃した記録が最後となり、絶滅したものと考えられています。

ガラパゴスアシカ

ガラパゴスアシカ



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