2009年12月のテーマ写真館




 《 ロード・ハウ島〜Lord Howe Island〜 》


オーストラリア大陸から東に700km、ブリスベーンとニュージーランドとの間に浮かぶ南北12km、幅は最大でも2kmの島で、1788年に英国海軍のヘンリー・L・ボールによって発見され、当時の提督の名にちなみロード・ハウ島(ハウ卿の島)となりました。太古から隔絶された絶海に浮かび、古代の珍しい生物の化石が数多く発見されており、オーストラリアのガラパゴスとも呼ばれています。さまざまな固有の生物が棲息し、沿岸では約500種の魚が見られ、そのうち13種が固有種や準固有種です。1982年に世界遺産に登録され、上陸できる人数も制限されています。ボルボックスでは非常に珍しいチョウチョウウオの仲間のロ−ド・ハウ・コーラルフィッシュ:Amphichaetodon howensis(Lord Howe Island butterflyfish ,Lord Howe coralfish)やスリー・ストライプ・バタフライフィッシュ:Chaetodon tricinctus、(Lord Howe Butterflyfish)またクマノミの仲間のマックロキーズ・アネモネフィッシュ:Amphiprion mccullochi(マックローチ・アネモネフィッシュ、McCulloch's Anemonefish)、ワイド・バンド・アネモネフィッシュ:Amphiprion latezonatus(Wide-band Anemonefish)、そしてキンチャクダイの仲間のコンスピキュオス・エンゼルフィッシュ:Chaetodontoplus conspicillatus、ハーフ・バンデッド・エンジェルフィッシュ:Genicanthus Semicinctus (Halfbanded Angelfish)、などの撮影に成功しました。
また、ロード・ハウ島から23km南東に、ボールズ・ピラミッド:Balls Pyramidと呼ばれ、尖った岩が海中から551mにも聳え、近くにオブザーバトリー・ロックなどいくつかの真っ黒な岩がむき出しの岩礁が並びます。名前は発見者のヘンリー・L・ボールにちなみます。私はここで、非常に珍しいバリナエンゼルフィッシュ:Chaetodontoplus ballinaeを日本人として初めて撮影しました。


ロード・ハウ島

ボールズ・ピラミッド

付近の岩礁とボールズピラミッド


島の植物

スリー・ストライプ・バタフライフィッシュ

スリー・ストライプ・バタフライフィッシュ


ロード・ハウ・コーラルフィッシュ

コンスピキュオス・エンジェルフィッシュ

ハーフ・バンデッド・エンジェルフィッシュの雄


ハーフ・バンデッド・エンジェルフィッシュの雌

マックローチ・アネモネフィッシュ

ワイド・バンド・アネモネフィッシュ


バリナ・エンジェルフィッシュ

バリナ・エンジェルフィッシュ

バリナ・エンジェルフィッシュ


 ◆ 海の一言 :『オーストラリア〜Australia〜』


無人のオーストラリア大陸に、今から5万3000年ほど前までに東南アジアからやってきた人々が到着し、アボリジニと呼ばれる人々の祖先となりました。この大陸に、最初に来た西欧人が1606年、オランダのウィレム・ヤンツです。オーストラリアという名は、古代のギリシャやローマ人が漠然とインドの南にあると信じていた「知られざる南の大陸」(テラ・アウストラリス・インコグニータ、ラテン語のterra「大陸」、australis「南」、incognita「未知」)、に由来した名前です。オーストラリア大陸はインド洋と南太平洋に挟まれ、南は南極海に臨み、周囲には多くの島々が点在します。



海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。