2009年1月のテーマ写真館




 《 クラゲ(海月・水母) 》


クラゲの多くは海の波間にふわふわ漂い、泳ぐ力が弱く、潮や海流に流されて暮らしています。一般に、体の90パーセント以上が水分で、半透明で柔らかく、ゼリーのような感触を持ち、「ゼラチン質プランクトン」と呼ばれます。
クラゲ、と言っても動物の分類では刺胞動物や有櫛動物などさまざまな生物が含まれ、一口に「これがクラゲ」と言えないのがクラゲです。多くの種類が毒をもち、危険な生物ながら、不思議な浮遊感を持ち、眺めていると優しい雰囲気で、癒し効果を持つ不思議な生物で、ペットとしても飼育されています。
最近は、クラゲとしての寿命が終ると、細胞が変化してポリプへと姿を変えて若返り、無性生殖でポリプを量産し、再びクラゲへと生まれ変わる、動物界で唯一、不老・不死、若返りを行なう、「ベニクラゲ」が注目を集め、人類の長年夢の実現に向けて研究が進められています。
また、食用クラゲは、低カロリーで、コラーゲンを多く含み、健康食品、美容食品として期待されています。
クラゲの多くは卵を受精させ、孵化してプラヌラとなって泳ぎ、岩や海草に付いて、ポリプを形成します。そして、分裂によりストロビラを形成し、たくさんのクラゲの赤ん坊が、お皿を積み重ねたような状態になります。そして、それぞれのエフィラが泳ぎ出し、成長してメタフィラを経て成長し、クラゲの形になります。
潟{ルボックスにはこうしたクラゲの成長段階の写真や、不老不死のベニクラゲ、下村博士がオワンクラゲから発見した発光物質の写真はもちろん、猛毒のカツオノエボシや湖に棲むタコクラゲsp.など、50種類以上のクラゲの写真をストックし、下記のクラゲの本2冊も出版しております。

潟{ルボックスのクラゲ関係出版物
「ゆらゆらクラゲ」:(2005年・光人社刊)中村庸夫
「たゆたうクラゲ」:(1997年・データハウス刊)中村庸夫


ヒトモシクラゲ

カツオノエボシ

キタミズクラゲ


コティロリーザツベルクラータ(クラーラ)(チチュウカイハイカラクラゲ)

カミクラゲ

キタカミクラゲ


サカサクラゲ

ビゼンクラゲ(成体)

アンドンクラゲ


エチゼンクラゲ(幼体)

タマクラゲ

シロクラゲ


チョウクラゲ

ウリクラゲ

アミガサクラゲ


スナイロクラゲ

タコクラゲ

オキクラゲ


 ◆ 海の一言 :『クラゲの発光』


「オワンクラゲ」の仲間から下村脩博士が緑色蛍光たんぱく質(GFP)を発見し、それが医学で応用され、癌細胞の発見に寄与した事からノーベル賞の受賞となりました。オワンクラゲの仲間はイクオリンという青色発光タンパク質と、GFPという緑色蛍光タンパク質の2種類をもっており、イクオリンから励起エネルギーを受けたGFPが緑色に光ります。そして、ブラックライトで紫外線を当てるとGFPは緑色に蛍光発光します。



海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。