2007年08月のテーマ写真館




 《 ゴマフアザラシ 》


ベーリング海からオホーツク海、北海道近海、そしてアジア大陸に沿って黄海北部にまで分布するアザラシで、流氷とともにオホーツク海を南下して北海道近海にやって来ます。流氷が消滅、後退する頃に北上しますが、若い個体は遅くまで北海道沿岸に残ります。最近は北海道東部の風蓮湖や野付半島などにとどまる個体もあり、流氷の時期以外でも各地で見る事が出来ます。中型のアザラシで、雄は体長170cm、体重130kgほどに成長し、雌のほうがやや小型です。日本近海で見られるアザラシの中で一番数が多く、「ゴマちゃん」の愛称で親しまれ、各地の水族館や動物園で最も多く飼育されているアザラシです。
3〜4月に流氷上で一子を出産し、赤ちゃんは純白の産毛で、白い流氷の上で保護色となります。脂肪分40%もの濃厚なミルクで育ち、産まれた直後約8kgの体重は3週間の授乳期間で30kgにもなり、子供に栄養を与えた母親は体重が3分の2ほどに減ってしまいます。毛は2〜3週間ほどでだんだん生え変わり、親と同じような模様になります。
海の写真のボルボックスにはゴマフアザラシはもちろん、世界のさまざまな種類のアザラシの写真が豊富にストックされています。


髭を凍らせて氷の穴から顔を出す

浅瀬で休むゴマフアザラシ

産まれたばかりの赤ちゃん


臭いで確かめ合う親子

生まれて1週間の子供と母

生まれたばかりの赤ちゃん


水中で眠る4ヶ月の子供

尾岱沼(おだいとう)の浅瀬で休む

生まれて6ヶ月の子供


寄り添う親子

泳ぎを覚えたばかりの子供

氷を食べるゴマフアザラシ

海面を泳ぐゴマフアザラシ

ゴマフアザラシ

産まれたばかりの赤ちゃんの授乳


 ◆ 海の一言 :『胡麻斑海豹〜ゴマフアザラシ〜』


アザラシは漢字で「海豹」と書かれ、痣(アザ)のような模様があるところから「アザラシ」とされ、白いご飯の上に黒いゴマを散らしたような模様から、ゴマフアザラシ(胡麻斑海豹)です。英名は Spotted Seal(スポッテド・シール)「斑点のあるアザラシ」で、背中は灰色の地に黒いまだら模様が散らばり、腹側は薄灰色で、模様は一頭ずつ違っています。



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