2007年04月のテーマ写真館




 《 セントローレンス湾 》


北米大陸の五大湖と大西洋を結んでカナダ東部を東北に流れるセントローレンス川。オンタリオ湖出口からセントローレンス湾まで1197キロの大河で、最初はカナダのオンタリオ州とアメリカ合衆国・ニューヨーク州を隔てる国境を形成し、その後はケベック州内を東に流れます。
1534年にフランス人探検家ジャック・カルティエが発見し、その影響でこの付近一帯はフランス語圏となっています。 セントローレンス川はニュー・ファンドランド島やケープ・ブレトン島に囲まれた広大なセントローレンス湾に流れ込みます。湾内には、赤毛のアンで知られるプリンスエドワード島や、マドレーヌ島などの島が浮かびます。セントローレンス川水系がもたらす有機物によりプランクトンが大発生し、タイセイヨウサケや、カラフトシシャモをはじめとした魚類も多く、それらを餌とする海洋哺乳動物が豊富です。
真っ白な赤ちゃんで知られるタテゴトアザラシが流氷の上で繁殖し、島々ではハイイロアザラシやゼニガタアザラシの仲間のハーバーシールも見られます。また、地球最大の動物のシロナガスクジラやナガスクジラ、マッコウクジラ、ミンククジラ、海のカナリアとして知られるシロイルカ(ベルーガ)などが湾内に回遊する、世界でも稀に見る豊かな海です。


流氷を割って進む砕氷船

凍る海

シロナガスクジラ


ナガスクジラ

ベルーガ

タテゴトアザラシの赤ちゃん


タテゴトアザラシの赤ちゃん

ハイイロアザラシの赤ちゃん

ハイイロアザラシの赤ちゃん


マドレーヌ島の灯台

プリンスエドワード島の灯台

ボナビスタ灯台


海水を被り凍り付いた防波堤の上の家

マドレーヌ島沖の無人島を訪れる


 ◆ 海の一言 :『タテゴトアザラシ〜Harp Seal〜』


カナダ、ロシア、ノルウェーの北極圏などに棲息するアザラシで、英名Harp Sealのハープは楽器の「竪琴」で、シールは「アザラシ」で、翻訳されてタテゴトアザラシ「竪琴海豹」と呼ばれます。英名の由来は背中に一見ハープにも見える模様があることに由来します。氷の上で産まれた子供の体毛は黄みがかっていますが、3〜4日でふわふわとした白に変化し、2,3週間で産毛が抜け、黒い斑点のある銀色の体毛に生え変わります。そして、成長とともに琴の形をした模様が現れるのです。



海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。