2006年5月のテーマ写真館




 《 海の哺乳動物 》


アシカ、オットセイ、アザラシ、セイウチなど鰭脚類を一般に海獣類と呼びます。アザラシとアシカやオットセイの一番の違いは耳で、アザラシには耳たぶがありませんが、アシカやオットセイには耳たぶがあります。次は前脚と後脚の違いで、アザラシの前脚はカギ状の手の様な形で爪があり、アシカの前脚はヒレ状です。アザラシの後脚は曲がらず後ろに伸びたままで4脚で歩く事が出来ず、芋虫のように這い歩きます。アシカやオットセイの後脚は前に曲がり4つ足で歩くことができます。アザラシは後脚を左右に振って泳ぎますが、アシカやオットセイは前脚でかいて泳ぎます。アシカとオットセイの違いは、4脚はオットセイの方がやや長く、オットセイはアシカよりふさふさした長い毛とアンダー・ファーと呼ばれる短く細かい毛を持ち、冷たい海水から身を守ります。セイウチは不器用ながら歩くことができ、口の周りにひげが密集し、雄も雌も長い牙を持ち、アザラシのように後ろ脚を左右に振って泳ぎます。写真を良くご覧になり、水族館に行ったら海獣類のこうした違いを見つけて下さい。


ヒゲがモジャモジャなセイウチ

セイウチの群れ(ラウンド島、アラスカ)

セイウチの立派な牙


ヒゲが凍ったゴマフアザラシ

生まれたばかりのゴマフアザラシの赤ちゃん

ゴマフアザラシの前脚


タテゴトアザラシの赤ちゃん

タテゴトアザラシの授乳

母親を探すタテゴトアザラシの赤ちゃん


ミナミゾウアザラシとオウサマペンギン(クロゼ島)

海岸で休むミナミゾウアザラシ(クロゼ島)

背伸びをするキタゾウアザラシ(バハ・カリフォルニア)


雄叫びを上げるオタリア

シーライオンの元になったオタリア(バルデス半島)

水面に顔を出すカリフォルニアアシカ(カリフォルニア)


こちらに向かってきたトド

水中を泳ぐガラパゴスアシカ(ガラパゴス諸島)

水面をジャンプするガラパゴスアシカ(ガラパゴス諸島)


水中でこちらの様子を伺うミナミアフリカオットセイ

キタオットセイの群れ

寝っころがって休むキタオットセイの雄


ナンキョクオットセイと船(サウスジョージア島)

こちらを振り返るニュージーランドオットセイ

空を見上げるアムステムダルオットセイ(セントポール島)


 ◆ 海の一言 : 『鰭脚類(ききゃく=ひれあし)類』


鰭脚類はラテン語でpinna「羽や翼」と、pes「足」に由来し、Pinnipediaと呼ばれ、鰭が翼のような形をしている動物のグループです。アシカ科・アザラシ科・セイウチ科の3つが含まれます。我が国近海では、ニホンアシカは絶滅してしまいましたが、ゴマフアザラシ、ワモンアザラシ、クラカケアザラシ、ゼニガタアザラシ、アゴヒゲアザラシ、キタオットセイ、トドなどが見られます。



海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。