2005年8月のテーマ写真館




 《 タテゴトアザラシの赤ちゃん 》


タテゴトアザラシは北極海を中心に北半球だけに棲むアザラシで毎年3月始めになると流氷の上で出産します。氷のベッドの上で産まれた子供は保温と、雪や氷に紛れて見えにくいように真っ白なコートを着ています。10kgほどの子供は、牛乳の15倍もの濃さの脂肪分のミルクをもらい、毎日2kgほどずつ大きくなります。産まれて2〜3週間ほどすると、母親は餌獲りに海に出たまま帰らず、子別れします。子供は体に蓄えた脂肪分で生き抜き、やがて氷が解ける頃、真っ白な産毛を脱ぎ捨て、海に出てゆきます。タテゴトアザラシの可愛い子供の写真をご覧ください。


産毛姿の子供の可愛さはアザラシで一番

産毛はたった2〜3週間で脱ぎ捨てる

近くで生まれた子供と仲良く休む


母と子は匂いで嗅ぎ分ける

産まれた直後の子供はやや黄色いが、太陽光線を受けて白くなる

氷の海で泳ぎの練習をする赤ちゃん


お母さんを待つ子供

流氷の上が赤ちゃんのゆりかご

おっぱいをもらう赤ちゃん


思い思いの格好で昼寝する

お母さんを探して氷の上を這い回る

上空から見たタテゴトアザラシの繁殖場


 ◆ 海の一言 : 『タテゴトアザラシ』


タテゴトは「竪琴」で楽器のハープの事です。子供や、濡れた体では分かりませんが、渇いた大人の体にはハープのようなカーブの模様があり、そこから日本語ではタテゴトアザラシ、英語ではハープ・シールと呼ばれています。



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