2005年5月のテーマ写真館




 《 アラビア半島 》


その昔、アラブはヨーロッパのキリスト教世界にとって異教徒のイスラム社会。長い間十字軍が戦い、ヴァスコ・ダ・ガマやコロンブスが苦労して迂回し、黄金の国・ジパングを目指し海路を切り開いたのだ。こんなアラブの中心、アラビア半島はヨーロッパの博物学者にとっては珍しい生物の宝庫だった。特にペルシャ湾の海中生物については未開の地。アラブの漁師が獲って食べている魚でも、西欧に持ち帰り、論文に記載すれば新種となった。こんな名誉を得るためたくさんの探検家が危険な世界に足を踏み入れ新種を多く発見した。こんな砂漠の真ん中のU.A.E.のデュバイやペルシャ湾入り口のオマーンなど砂漠の海の水中写真を数多く撮影しました。


イサキの仲間が巨大な群れを作ってオマーンの海を泳いでいた

ブラックスポットバタフライフィッシュがカラフルなトサカの間を泳ぐ

銀鱗を輝かせたアジの仲間が群れ泳いでいた


ペルシャ湾固有のアラビアンバタフライフィッシュ

アラブの海固有のガードナーズバタフライフィッシュ

アラビア半島の先端、イランやイラクなどのあるペルシャ湾の入り口に位置するオマーンの海岸線の要塞


オマーンの市場(スーク)には豊富な品物が売られていた

人間が散水している場所以外に緑はめったに無い

砂漠がそのままビーチにつながり子供たちが遊ぶ砂漠の海岸から船に乗って潜る


アラブ首長国連邦、U.A.E.の首都デュバイ(ドバイ)に立ち並ぶ近代的なホテルと行き交うアラブの船、ダウ船

デュバイのリゾートビーチと超近代的なホテル

デュバイの市場(スーク)に並ぶ豊富な魚介類


 ◆ 海の一言 : 『ペルシャ湾』


インド洋の北西の外れ、ホルムズ海峡の内側の海は長い間ペルシャ湾と呼ばれてきた。この名は古くはこの海域に覇権を誇ったイランの国名であったため、サウジアラビア、クウェートなど隣接国家は、この名前に反対し、最近は国際的に「ガルフ=湾」と表記され「湾岸戦争」などと呼ばれるようになった。



海の写真のボルボックス  © 中村庸夫 無断転載を禁止します。