2004年11月のテーマ写真館




 《 プリンス・エドワード島のタテゴトアザラシ 》


毎年3月に入るとカナダ東海岸のセント・ローレンス湾に流氷が押し寄せ、プリンスエドワード島周辺の海は一面の氷となります。すると、北太平洋の各地からタテゴトアザラシが集まり流氷の上でいっせいに出産します。真っ白な産毛をまとって生まれたタテゴトアザラシの赤ちゃんは濃厚なおっぱいですくすくと育ち、およそ2週間で親と別れ、産毛を脱ぎ捨て独り立ちします。こんなタテゴトアザラシの親子を求め、「赤毛のアン」で知られるプリンス・エドワード島からヘリコプターで飛んで親子の愛情あふれるシーンや可愛い子供たちの姿を撮影しました。


雪に埋もれたシャーロットタウンの灯台

灯台と灯台守の家

夜の灯台と灯台守の家


島と本土とを結ぶ砕氷フェリー

沖合いの氷を割る砕氷船と貨物船

ヘリコプターで氷原上のアザラシを探す


氷の割れ目に沿って群れるタテゴトアザラシ

生まれたばかりの子供に授乳する

母子は匂いで嗅ぎ分ける


生まれて間もないタテゴトアザラシの赤ちゃん

タテゴトアザラシの子供は全く人間を恐れない

乱氷群で身を隠し、親の帰りを待つ子供


 ◆ 海の一言 : 『タテゴトアザラシ』


タテゴトアザラシは北半球の北極海周辺に棲み、氷の移動に合わせ氷の周辺で生活しています。親のタテゴトアザラシの毛皮は乾燥すると楽器のハープのような模様が現れるため、英語ではハープ・シールと呼ばれ我が国ではタテゴトアザラシと呼ばれています。極地のアザラシのため我が国近海では見られませんが、鴨川シーワールドなど水族館で会うことが出来ます。



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